選手の代理人・家族を名乗る人からFacebookで連絡|立替や寄付を頼まれたら

Facebookで友達申請を承認したら、相手は選手本人ではなく「○○選手の代理人」「マネージャー」「兄」「選手が立ち上げた財団のスタッフ」を名乗っていた。やり取りを続けるうちに、「選手が怪我をして治療費が足りない」「会わせる前に手続き費用が要る」「財団への寄付をお願いしたい」と頼まれた。この記事は、そうした関係者を名乗る相手とのやり取りで迷っている人に向けています。

編集部の見解をはっきり書きます。関係者を名乗る相手は、本人を名乗る相手よりも確かめる手段が少ないぶん、慎重になる必要があります。選手の顔写真は公開されていても、代理人や家族の顔や名前は多くの場合公開されていないからです。所属先や財団の公式窓口に、自分で調べた連絡先から問い合わせて確認が取れない限り、お金の話には応じない。これを基準にしてください。

以下では、Facebookが入口になる件数、関係者が持ち出す頼みごとの型、肩書きの確かめ方、寄付を頼まれたときの見方、報告とお金を出した後の連絡先を順に説明します。

Facebookは交際を装う詐欺の入口として3番目に多い

警察庁の令和7年(2025年)の確定値で、SNS型ロマンス詐欺の最初の接点を見ると、Facebookは1,049件。マッチングアプリ、Instagramに次ぐ3番目で、前年より266件増えています。このうち1,003件はFacebookのダイレクトメッセージ(Messenger)から始まっていました。投資をもちかける型でも、Facebookを入口とした被害が822件あります。

「関係者」を名乗るやり方については、消費者庁の注意喚起が参考になります。消費者庁は、SNSをきっかけにしたもうけ話の相談を集計する際、著名人本人を名乗るものだけでなく、アシスタントや弟子、親族といった関係者を名乗る相談も含めて扱っています。選手の場合は、代理人、マネージャー、トレーナー、家族、財団の職員などがこれにあたると考えられます。

関係者を名乗ると、「本人は忙しいから私が窓口になっている」「本人のアカウントは球団やクラブの管理下にある」と説明しやすくなります。本人と直接話せない理由があらかじめ用意されている点に注意してください。

関係者を名乗る相手が持ち出す4つの頼みごと

選手に会わせるための費用

「あなたのことを選手に話したら会いたがっている」と伝え、面会の予約料、警備費、秘密保持の契約金などを求める形です。会う日程は決まっても、直前になって別の費用が出てくることがあります。

選手の急な出費の立て替え

「遠征先で怪我をして治療費が必要」「海外のリーグから移籍する手数料が足りない」「口座が一時的に凍結されて引き出せない」など、選手が困っている状況を説明して立て替えを頼みます。プロとして活動し、所属先や家族にも頼れるはずの人が、面識のないファンからお金を借りる理由は普通は見当たりません。

財団・チャリティへの寄付

「選手が支援している子どもたちのために」「被災地に物資を送るために」と、社会貢献を名目にした寄付を求めます。善意に訴えるため、断ることに罪悪感を覚えやすい頼み方です。

贈り物や荷物の受け取り

「選手からのプレゼントを送った」と伝えた後、配送業者や税関を名乗る別の人物から通関料や保険料を請求される形です。国民生活センターは、海外の相手から「荷物を受け取ってほしい」と頼まれ、受け取りの際に通関料などを請求される国際ロマンス詐欺の相談を紹介し、面識のない相手と荷物を受け取る約束をしないよう呼びかけています。

代理人・マネージャーという肩書きを確かめる手順

肩書きが本物かどうかは、相手の説明ではなく第三者が公開している情報で確かめます。次の順で調べてみてください。

  1. 所属先の公式サイトを自分で検索する:相手が送ってきたリンクではなく、検索エンジンで所属チームやクラブの公式サイトを探し、問い合わせ窓口を確認します。
  2. 公式窓口に自分から問い合わせる:「○○という名前の代理人から連絡が来ているが、関係者か」と聞きます。相手が教えてくれた電話番号やメールアドレスには連絡しません。
  3. 競技の代理人制度を調べる:競技によっては、代理人に資格や登録を求める仕組みがあります。たとえばサッカーでは、国際サッカー連盟(FIFA)が代理人のライセンスを管理し、ライセンスを持つ代理人を検索できる名簿を公開しています。名乗られた名前が見つからなければ、話を進める理由はさらに薄くなります。
  4. 会社名が出てきたら法人番号を調べる:「マネジメント会社の者です」と言われたら、国税庁の法人番号公表サイトで会社の実在を確認します。ただし、実在する会社名を無断で使われている可能性もあるため、見つかったことは本物の証明にはなりません。
  5. Facebookのプロフィールを見る:アカウントを作った時期、友達の数と顔ぶれ、過去の投稿がほとんどないか。選手の写真ばかり並んでいる関係者のアカウントは不自然です。
  6. 選手本人の公式発信を見返す:本人の公式アカウントや所属先のニュースで、その代理人や財団の名前が紹介されたことがあるかを探します。表立って活動している関係者なら、公式の場で名前が出ていることがあります。どこにも名前が見当たらず、相手のメッセージの中にしか存在しない人物であれば、その人を窓口にする理由はありません。

「確認されると本人の立場が悪くなる」「球団には内緒の話だ」と止められた場合は、その時点で確認の必要すらなくなったと考えてかまいません。

財団やチャリティへの寄付を求められたとき

選手が社会貢献活動に取り組むこと自体は珍しくありません。ただ、寄付の窓口を関係者個人のメッセージで知らされるのは、団体の通常の募り方とは違います。寄付をする前に、次の点を確かめてください。

  • 団体の法人格を調べる:公益財団法人や公益社団法人であれば内閣府の「公益法人information」で、NPO法人であれば内閣府のNPO法人ポータルサイトで、名称や所在地を検索できます。
  • 振込先の名義を見る:団体名ではなく個人名の口座を指定されたら、寄付の話として成り立っていません。消費者庁も、個人名義の口座への振込を求められた場合は詐欺を疑うよう注意しています。
  • 寄付の方法を公式サイトで確認する:団体の公式サイトに寄付の受付ページがあるなら、そこから手続きすれば足ります。メッセージで案内された方法を使う必要はありません。
  • 暗号資産やギフトカードで求められていないか:寄付の手段としては不自然です。

募金の呼びかけそのものの見分け方は、Facebookの募金の見分け方でも取り上げています。

本物の関係者だったとしても、立て替えには応じない

万一、相手が本当に選手の知人や家族だったとしても、SNSで知り合ったばかりのファンにお金の立て替えを頼む状況は健全とは言えません。治療費や手数料が本当に必要なら、所属先、家族、金融機関など、ほかに頼れる先があるはずです。

編集部としては、次のどれかに当てはまったら、相手が誰であってもやり取りを打ち切ってよいと考えます。

  • 会ったことのない相手から、金額と期限を指定されてお金を頼まれた
  • 「選手本人には言わないで」「誰にも相談しないで」と口止めされた
  • 一度払ったあとに、別の名目で追加の支払いを求められた
  • LINEやメッセージアプリへの移動を急かされた

断るときは理由を詳しく説明する必要はありません。「お金のやり取りはしません」と一言伝えるか、返信せずに記録を残して離れてください。

Facebookで偽の関係者アカウントを報告する

Facebookのヘルプセンターは、プロフィールやページを使って他人になりすます行為をコミュニティ規定違反として禁じています。報告の前に、やり取りの画面とプロフィール画面を保存しておきましょう。

  1. 相手のプロフィールを開き、カバー写真の下にある「…」(オプション)を選ぶ。
  2. 「プロフィールを報告」を選び、画面の指示に沿って理由を選ぶ。
  3. 相手がページ(公式ページ風のアカウント)の場合は「ページを報告」から同じように進める。

家族がFacebookを使っていなくても、ヘルプセンターの案内には、アカウントのない人向けに専用の入力フォームが用意されていると書かれています。報告した後は、相手をブロックしてかまいません。証拠の保存方法は証拠の残し方を参考にしてください。

お金を出してしまった後の連絡先

立て替えや寄付としてお金を渡してしまった場合は、支払い手段ごとの窓口に連絡しつつ、警察にも相談します。

支払った方法最初に連絡する先あわせてすること
銀行振込振込先の金融機関警察に相談し、口座凍結を依頼する
クレジットカードカード会社利用明細を保存し、請求について相談する
暗号資産利用した暗号資産交換業者送金の記録(取引ID)を保存して警察へ
ギフトカード・電子マネーカードの発行会社レシートとカードを保管して警察へ

警察には#9110、消費生活の相談は188で受け付けています。取り戻せるかどうかは支払い方法や経過時間によって変わり、保証できるものではありません。専門家への相談を考えている場合は相談予約のページをご覧ください。

よくある質問

Q. 選手の代理人を名乗る人がFacebookで連絡してきました。本物か確かめる方法はありますか?

A. 所属チームやクラブの公式サイトを自分で検索し、そこに載っている問い合わせ窓口に確認するのが確実です。相手が教えた連絡先には問い合わせないでください。競技によっては代理人の登録名簿が公開されている場合もあります。

Q. 選手の家族を名乗る人から「本人が怪我をして治療費が必要」と言われました。

A. SNSで知り合ったファンに治療費を頼む状況は、一般的には考えにくいものです。気の毒に思っても送金はせず、やり取りを保存したうえで警察(#9110)に相談してください。

Q. 選手の財団への寄付なら、断るのは失礼ではありませんか?

A. 寄付をしたい気持ちがあるなら、団体の公式サイトに載っている寄付の窓口を使えば十分です。メッセージで案内された個人名義の口座やギフトカードで払う必要はありません。

Q. 「選手からの贈り物」の荷物に通関料がかかると言われました。

A. 国民生活センターは、海外から荷物を送ると言われ、受け取りの際に通関料などを請求される手口を紹介しています。お金を出すのは待って、188番につながる消費生活センターで話を聞いてもらうのが先です。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。