ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
知らない番号から電話があり、「○○(チーム名)ファンクラブ事務局です。今年度の会費が未納になっています」「選手のサイン会の抽選に当選されました。参加費のお振込みを」「キャンセルが出たチケットを会員様に優先してご案内しています」と言われた。本物の連絡なのか、それとも選手やチームの名前を使った電話なのか分からず不安を感じている方に読んでほしい内容です。
先に答えを書くと、その電話の中で支払いや個人情報の確認に応じず、いったん切って、会員証の裏面や公式サイトで調べた番号に、こちらから電話をかけ直してください。本物の事務局であれば、かけ直しても手続きが無効になることはまずありません。相手の番号に折り返すのではなく、自分で調べた番号にかける。これだけで防げる場面が多いと編集部は考えています。
ここでは、電話がいまも詐欺の入口として大きな割合を占めていること、ファンクラブやチケットをかたる話の型、受話器を取ったときの受け答え、転売チケットをめぐる法律、着信そのものを減らす設定、話してしまった後の対応を順番に見ていきます。
令和7年(2025年)の特殊詐欺について警察庁が出した確定値を見ると、犯人が最初に使った接触手段は電話が78.8%でした。SNSやメールが増えているとはいえ、電話は依然として中心的な入口です。
同じ資料によると、警察が把握した「予兆電話」は1年で331,653件ありました。予兆電話とは、住所や氏名、資産、使っている金融機関などを探るような、特殊詐欺が疑われる電話のことです。1か月あたりに直すと約2万7千件にのぼります。
ファンクラブやチケットの話は、スポーツ観戦を楽しんでいる人にとって身近な話題です。「会員番号を確認させてください」「お支払い口座を確認します」と自然に切り出せるため、個人情報を聞き出す口実として使われやすいと考えられます。選手名やチーム名を出されると、急に信じてしまいそうになる気持ちは分かります。ただ、名前を知っていることは、本物の事務局であることの証拠になりません。
「会費が引き落とせなかった」「更新しないと会員資格が失効する」と伝え、振込やカード番号の読み上げを求めます。実際の会費の支払い状況は、会員専用のページや会員証に書かれた窓口で確かめられます。
「選手と直接会える企画に当選した」と告げ、参加費や記念品代を急いで払うよう促します。自分が応募していない企画に当選していたら、まず疑ってかまいません。
人気の試合のチケットが取れなかった人に、「会員限定でお譲りできる」と持ちかけます。公式の販売経路以外で売買するチケットはトラブルになりやすく、国民生活センターは、SNSで知り合った個人にチケット代を振り込んだら連絡が取れなくなった、といった相談を紹介しています。同センターが把握した転売チケットの相談は、2021年4月の35件から2022年5月には204件に増えていました。
お金の話をせず、会員番号、生年月日、登録しているメールアドレスやパスワードを確認したいと言う電話もあります。聞き出した情報が、後日の別の詐欺やアカウントの乗っ取りに使われるおそれがあります。
電話口で真偽を判定しなくて大丈夫です。押さえるのは「情報を渡さない」「自分でかけ直す」の2点だけです。
家族が電話に出ることもあるので、「ファンクラブやチケットの件で電話が来ても、その場では何も答えない」と家の中で決めておくと安心です。
「定価より高くなるが、確実に入れる席を用意できる」という電話には、法律の面からも注意が要ります。2019年に施行された「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」(チケット不正転売禁止法)は、スポーツも対象に含む興行の入場券のうち、一定の条件を満たす「特定興行入場券」について、不正転売と、不正転売を目的とした譲り受けを禁じています。違反した場合の罰則は、1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方です。
特定興行入場券にあたるのは、主催者の同意のない有償譲渡を禁止する旨が券面などに表示され、日時・場所と、入場できる人か座席が指定されているものなどです。こうしたチケットは、本人確認があると入場を断られるおそれもあります。
行けなくなった人のチケットを譲り受けたいときは、主催者が用意している公式のリセール(再販売)の仕組みを使うのが基本です。国民生活センターも、チケットは公式の販売サイトから購入するよう勧めています。電話で持ちかけられた転売の話には乗らないのが無難です。
警察庁は、令和5年(2023年)7月以降、特殊詐欺に国際電話番号が使われる例が急増したとして、着信そのものを遮断する対策を勧めています。
ファンクラブやチームからの大事な連絡は、多くの場合メールや会員ページでも確認できるはずです。電話に出られなかったことで不利益があるかどうかは、公式窓口に聞けば分かります。
電話を切った直後に、「先ほどのご案内の件」としてSMSやメールが届くことがあります。電話で信用させたうえで、リンク先の偽サイトに会員番号やカード情報を入力させる流れです。電話とメッセージが連動していると、本物らしさが増して見えるので注意してください。
電話・SMS・メールのどれで届いても、「支払い」「個人情報の入力」を急がせる連絡には、公式の窓口で確認するまで応じない、という姿勢は同じです。
電話で情報を伝えたり、お金を払ったりしてしまった場合は、何を渡したかによって連絡先が変わります。
| 渡してしまったもの | すぐにすること |
|---|---|
| クレジットカードの番号 | カード会社に連絡して利用停止と再発行を依頼する |
| 会員IDやパスワード | 公式サイトでパスワードを新しくし、使い回している別のサービスがあればそちらも替える |
| 銀行振込でお金 | 振り込んだ先の銀行へ連絡し、警察にも届けて口座凍結を依頼する |
| ギフトカードの番号 | カードの発行会社に連絡する |
| 住所・生年月日など | 同じ相手や関連する業者から再び連絡が来る前提で、記録を残しておく |
あわせて、警察の相談窓口につながる#9110や、消費生活センターにつながる188番にも連絡を入れてください。本物のファンクラブ事務局にも「事務局を名乗る電話があった」と知らせておくと、ほかの会員への注意喚起につながることがあります。相談の進め方は相談の流れ、やり取りの記録の残し方は証拠の残し方にまとめています。芸能人のマネージャーを名乗る電話についてはこちらの記事も参考になります。
A. 電話では答えず、会員証や公式サイトに載っている窓口に自分で問い合わせてください。会員専用のページで支払い状況を確認できる場合もあります。相手が伝えてきた番号には折り返さないでください。
A. 応募していない企画に当選することは通常ありません。参加費や記念品代を求められても払わず、チームの公式サイトに企画の告知があるかを確認してください。
A. 条件を満たすチケットの不正転売や、不正転売を目的とした譲り受けはチケット不正転売禁止法で禁じられています。入場を断られるおそれもあるため、主催者の公式リセールを使うのが安全です。
A. すぐにカード会社へ連絡して利用停止を依頼してください。身に覚えのない請求が出ていないか明細を確認し、警察(#9110)にも相談しておくと安心です。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。