ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
X(旧Twitter)で親しくなった「国連の職員」から、「国連の日本事務所に空きがある」「推薦するから一緒に任地で働こう」と誘われ、登録料や研修費、ビザの手数料を先に払うよう言われているなら、支払いはいったん止めてください。国連は、採用のどの段階でも費用を取らないと公式に明言しています。応募、面接、手続き、研修のいずれについても同じです。
この記事は、Xでのやり取りをきっかけに国連関係者を名乗る相手から仕事の話を持ちかけられた人に向けたものです。国連本部とユニセフの採用に関する注意喚起、外務省の国際機関人事センターの案内をもとに、本物の募集がどこに出ているか、届いた通知をどう見分けるか、払ってしまった後に何をするかを順に説明します。
仕事の紹介をきっかけにした相談は、恋愛や友情のやり取りと組み合わさって進むことがあります。よく見られるのは次のような筋書きです。
2022年9月に国連広報センターが出した注意喚起にも、国連関係の医師・軍人を名乗ってSNSで近づき、休暇や来日の手続きを理由にお金の肩代わりを頼む事例が挙がっています。仕事の紹介は、その「立て替え」をもっともらしく見せる一つの形と考えられます。
仕事の話が効きやすいのは、「会えない理由」が一気に消える未来を見せてくれるからです。同じ職場で働けば会える、任地で一緒に暮らせる、という話は、それまでの寂しさを埋める約束にも聞こえます。外務省は、詐欺の多くが単独ではなく集団で行われ、友人や弁護士、空港の係官などの役を演じ分けることがあると注意しています。「人事部」「採用担当」を名乗る人物が途中から現れるのも、この役割分担の一つかもしれません。
国連本部の Fraud Alert は、国連が採用の過程でいかなる料金も請求しないこと、銀行口座などの個人的な情報を求めないことを明記しています。国連の募集要項には、応募、面接、手続き、研修などの費用を取らないという定型の一文が添えられています。
ユニセフも採用ページで、メール、SNS、求人サイトを通じて架空の採用通知が出回っていると注意を呼びかけています。そこでは、ユニセフが応募・面接・会合・渡航・手続き・研修などの名目で費用を取ることはなく、銀行の情報を求めることもないと説明されています。こうした偽の連絡には、ユニセフのロゴや、公式に見えるメールアドレスやサイトが使われることがあるとも書かれています。
外務省の国際機関人事センターも、国際機関の職員を名乗り、面接費用や研修費、ビザの費用などの送金を求めるメールが繰り返し報告されているとして、国際機関が採用の過程で応募者に費用を求めることはないと案内しています。
つまり、「国連の仕事を得るために先にお金が要る」という話は、名目が何であれ、国連側の公式な説明と食い違います。
国連の職員募集は、careers.un.org という国連自身の採用サイトに掲載され、そこからの応募を通じて選考が進みます。ユニセフなど各機関も、それぞれの公式な採用ページで空席を公開しています。日本語で探したい場合は、外務省の国際機関人事センターが国際機関の空席情報や、若手を国際機関に派遣するJPO派遣制度を案内しています。
| 確かめる点 | 公式な募集 | DMでの紹介 |
|---|---|---|
| 情報の出どころ | 国連・各機関の採用サイト、外務省の案内 | 相手のDM、個人から転送されたメール |
| 応募の方法 | 自分で採用サイトから応募する | 「書類は自分が出しておく」「推薦で決まる」 |
| 費用 | 請求されない | 登録料・研修費・ビザ代などを先払い |
| 連絡の速さ | 選考に時間がかかることも多い | 数日で「内定」が出て支払いを急がされる |
気になるポストの話を聞いたら、相手から送られたリンクは使わず、自分で国連や各機関の採用サイトを開き、同じ職名の募集が本当にあるかを探してください。見つからなければ、その「空き」は相手の話の中にしか存在しない可能性があります。
国際機関で働くことに本当に関心が出てきたなら、それ自体は大切にしてよい気持ちです。外務省の国際機関人事センターのサイトには、応募に必要な学歴や職務経験、語学力の考え方、説明会の案内などがまとまっています。相手を通さず、そうした公式の情報から自分の道筋を考えるほうが、結果的に近道になります。
外務省の国際機関人事センターは、採用に関するメールを受け取ったら送信元のアカウントが本物かを確かめるよう呼びかけています。ポイントは次のとおりです。
通知に国連の紋章や署名が入っていても、画像や書式は簡単にまねできます。見た目より、上の五つの点を順に確かめるほうが確実です。
「採用手続きのため」「給与の振込先登録のため」と言われて、旅券のコピーや免許証の画像、給与を受け取る口座の番号などを、すでに相手に渡してしまった人もいるかもしれません。国連は口座などの個人情報を求めないとしているので、送った情報が別の目的に使われる可能性を考えて備えておきましょう。
やり取りの中でSNSに登録しているメールアドレスや電話番号まで伝えていたなら、XやほかのSNSのパスワードを変え、二段階認証を設定しておきましょう。乗っ取られたアカウントは、あなたの知り合いに同じような誘いを送る道具にされることがあります。
相手から「給料の前払い分をあなたの口座に入れるので、一部を別の口座に送ってほしい」と頼まれることもあります。お金の受け渡しの中継役を引き受けると、自分が思わぬ責任を問われるおそれがあるため、応じないでください。
登録料や研修費をすでに払っていても、それ以上の支払いを止めることが何より大切です。「ここまで払ったのだから、あと一回で採用が決まる」という考えが浮かんだら、それが相手のねらいかもしれないと疑ってみてください。
返金されるかどうかは状況によって異なり、約束はできません。記録の残し方は証拠の残し方、X で国連関係者を名乗る相手から送金を頼まれるほかの形は国連関係者を名乗る相手の送金依頼で扱っています。相談予約のページからもご相談いただけます。
A. 国連は採用のどの段階でも費用を取らないと公式に明言しています。登録料を払うことで採用が決まる仕組みはなく、請求があること自体が公式の説明と食い違います。支払いは止め、やり取りを保存して警察に相談してください。
A. 国連の募集は採用サイトで公開され、応募者が自分で申し込んで選考が進みます。個人のDMで「推薦すれば決まる」と言われても、その話を確かめる手段は公式サイト上の募集の有無です。同じ職名の募集が見つからなければ、紹介の話は慎重に扱ってください。
A. 外務省の国際機関人事センターは、ハイフンやドメインの一部だけが違う、よく似たアドレスが使われることがあると注意しています。応募した覚えがあるか、費用を求められていないかもあわせて確かめてください。
A. プロフィールの記載や写真は誰でも書き換えられるため、所属の証明にはなりません。仕事の話であれば、その機関の公式な採用サイトで確かめることを優先してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。