仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
仮想通貨詐欺とは、暗号資産(仮想通貨)を名目にしたり、支払い手段に使わせたりして、お金や暗号資産をだまし取る行為の総称です。法律に「仮想通貨詐欺」という罪名があるわけではなく、人を欺いて財物を交付させる行為として、刑法第246条の詐欺罪などで扱われます。
この記事では、まず暗号資産が法律上どう位置づけられているかを押さえ、代表的な手口を7つに分けて紹介します。そのうえで、暗号資産の被害がなぜ取り戻しにくいのか、それでも使える返金・回復の仕組みにはどんなものがあるのかを説明します。これから投資を考えている人にも、すでに送金してしまった人にも、全体像をつかむための記事です。状況別の行動の順番は段階別の総合ガイドにまとめています。
資金決済法第2条第14項は、暗号資産を、不特定の者に対して代金の支払いに使え、不特定の者を相手に売買でき、電子的に記録されて移転できる財産的価値などと定めています。円やドルのような法定通貨ではありません。
つまり「仮想通貨詐欺」かどうかを分けるのは、値動きで損をしたかどうかではなく、うその説明で送金させられたかです。
SNSで持ちかけられる暗号資産の投資話は、一度送ってしまえば取り返すのはごく難しい、というのが国民生活センターの見解です。その背景には次の4つの事情があります。
だからこそ、暗号資産の被害は「送る前に止める」ことの価値が他の手口より大きいと筆者は考えています。
7つの手口は入口こそ違いますが、お金を出させるまでの流れには共通点があります。筆者は、次の4つの段階のどこにいるかを意識するだけで、途中で立ち止まれる場面が増えると考えています。
2の段階で「もう少し様子を見る」と判断できれば、損失は小さく済みます。3の段階で期限を切られたら、それ自体を断る理由にしてかまいません。
取り戻しにくいとはいえ、手段がまったくないわけではありません。お金の流れのどこかに国内の銀行口座や身元の分かる相手が関わっていれば、次の仕組みが使える可能性があります。
詐欺に使われた預金口座が凍結されると、預金保険機構のサイトに口座の情報が載り、所定の期間に申請した被害者へ、残っていた預金が按分して支払われます。対象は預金口座に振り込んだお金で、暗号資産として送った分は含まれません。分配されるのは凍結時点で口座に残っていた額が上限です。
組織的な詐欺などで犯人の財産が刑事裁判により没収・追徴されると、検察庁がその財産をお金に換え、被害者への給付金に充てます。対象の事件は検察庁のサイトに一覧で載り、定められた期間中に申請します。犯人の検挙が前提になるため、警察への届出が出発点になります。
相手や口座の名義人が分かれば、弁護士を通じて損害賠償や返還を求める交渉や訴訟ができます。相手が事業者で、うその説明によって契約した場合は、消費者契約法による取消しも考えられます。ただし、追認できる時から1年、または契約から5年がたつと、取消しは主張できなくなります(消費者契約法第7条)。
国内の取引所から送った場合は、送金先の情報を取引所に伝えておくと、捜査機関からの照会に役立つことがあります。取引所への入金にクレジットカードを使った場合は、カード会社に利用の経緯を伝えて相談します。
被害に遭った人を狙って、「暗号資産を追跡して取り戻す」「成功報酬で返金を代行する」と持ちかける連絡があります。資格のない者が報酬を取って返金の交渉を請け負えば、弁護士法第72条違反の疑いが生じます。次の特徴があれば、依頼の前に立ち止まってください。
弁護士に依頼する場合の費用と確認点は弁護士に相談するメリットと費用、弁護士を名乗る相手からの費用請求は被害者の会・集団訴訟の確かめ方で扱っています。
筆者がすすめる順番は、次のとおりです。お金が動き続けている可能性のある窓口から先に連絡します。
1日ですべて回れなくてもかまいません。記録をまとめておけば、どの窓口でも同じ説明を繰り返しやすくなります。
A. なりません。登録業者で買った暗号資産が値下がりして損をするのは取引上のリスクです。うその説明で送金させられた、出金を理由なく拒まれているといった場合に、詐欺の疑いが出てきます。
A. ブロックチェーン上の送金は、送った側から取り消すことはできません。送金に使った取引所への連絡と警察への届出を早めに行い、日本円の振込が含まれていれば銀行にも連絡してください。
A. 対象は預金口座に振り込んだお金です。相手のウォレットに暗号資産として送った分には使えません。一方、相手の指定した口座へ日本円を振り込んでいれば、その部分は対象になる可能性があります。
A. 同じものです。2020年5月1日に施行された資金決済法の改正で、法令上の呼び方が「仮想通貨」から「暗号資産」に変わりました。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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