ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
マッチングアプリで外国人を名乗る相手から「いいね」が届いた、あるいはマッチした。プロフィールを見て、信じてよいのか判断に迷っている人向けの記事です。
最初に押さえておきたいのは、国籍や名前、写真の雰囲気だけで相手を見分けることはできないということです。警察庁の統計では、SNS型ロマンス詐欺でだます側が名乗った身分は、日本国内の人物がおよそ6割を占めていました。外国人を名乗るケースは一部にすぎず、また外国籍の利用者の大半は、ほかの利用者と同じように真剣に相手を探しています。
そのうえで、プロフィールには「組み合わせると注意したい書き方」があります。この記事では、職業欄、年齢と経歴、居住地、写真、自己紹介文の順に、見るべき点を公的資料で確かめながら解説します。数字や制度は2026年9月時点のものです。
警察庁が2026年5月に公表した令和7年分の確定値を見ると、SNSを入口にしたロマンス詐欺で被疑者が偽った出身や居住の設定(地域)で最も多かったのは「日本(国内)」で、3,461件、全体のおよそ6割にあたります。残りには東アジア、東南アジア、国外にいる日本人といった設定が含まれます。「外国人かどうか」を物差しにすると、国内在住の日本人を装う大多数を見逃すうえ、誠実な外国籍の利用者を不当に疑うことにもなります。
2022年12月に国民生活センターが出したチェックリストの中にも「自称外国人や外国の在住経験がある日本人」という項目がありますが、同センターは、チェックリストの一部に当てはまる人の中には本来の目的で使っている人もいると明記しています。つまり、一つの項目だけで決めつけず、いくつかの要素がそろったときに警戒を強めるという使い方が想定されています。
編集部は、プロフィールを見るときの問いを一つに絞るなら、「この人と実際に会うまでの道筋が、プロフィールから想像できるか」だと考えています。職業、居住地、会えない理由が、会う予定を遠ざける方向でそろっているなら、そこに注意を向けてください。
警察庁の同じ統計では、被疑者が名乗った職業は投資家の627件が最も多く、会社員507件、会社役員378件と続き、医療や芸術・芸能の関係者を装った例もあるとされています。米国の連邦取引委員会(FTC)も、ロマンス詐欺の相手は海外に住んでいる・旅をしている、石油掘削施設で働いている、軍にいる、国際機関で働いているなどと言って、会えない理由をつくると注意しています。国内でも、横須賀市が米軍人や米軍関係者を名乗る相手をめぐる相談が寄せられていると呼びかけています。
肩書きそのものが問題なのではありません。気をつけたいのは、次のような組み合わせです。
国民生活センターが紹介した相談事例でも、ワイン輸入業者の役員、ファッションブランドでVIP待遇を受けている経営者といった、華やかで確かめにくい肩書きの相手から投資を勧められた例が出てきます。
国内の会社や資格を名乗っている場合は、公開情報で確かめられる部分もあります。会社名を挙げているなら、国税庁の法人番号公表サイトでその会社が実在するか、所在地がどこかを調べられます。日本の医師免許を持っていると言うなら、厚生労働省の医師等資格確認検索で登録の有無を確かめる方法があります。ただし、会社が実在しても相手がその会社の役員である証明にはならず、同姓同名の別人である可能性も残ります。海外の勤務先や軍の所属となると、日本から個人の在籍を確かめるのはほぼ不可能です。確かめられないこと自体を、慎重になる理由として受け止めてください。
年齢はアプリの年齢確認で確かめられている場合がありますが、経歴は自己申告です。年齢と経歴を並べたとき、次のような点に無理がないかを見てください。
こうした食い違いは、質問を重ねるうちに見えてきます。「その仕事はどんな一日なの?」「その国のどの町に住んでいるの?」といった、相手の生活に踏み込む具体的な質問をしてみてください。答えがいつも抽象的で、話題がすぐ恋愛やお金の話に戻るなら、それも判断材料になります。
プロフィールでは日本在住となっているのに、メッセージでは「今は海外に赴任中」「来月には日本に戻る」と説明される。反対に、海外在住なのに日本での生活に詳しいと語る。こうした居住地の二重の説明は、会う時期を先送りしやすい設定でもあります。
国民生活センターが紹介したある相談では、日本に住むワイン輸入会社の役員だという相手と知り合い、数日後に会う約束もしていた中で、「結婚後の資金を貯めるため」と言われて暗号資産を送り、その後連絡が取れなくなったことが語られています。「会う約束がある」ことも、安心材料にはなりません。
アプリによっては、相手との距離や居住地域が表示されます。表示とメッセージの内容が合っているかどうかは、手軽に確かめられる項目の一つです。ただし、表示は相手が設定した情報や端末の設定に左右されるため、合っているから本物、という判断もできません。
時差も手がかりの一つです。海外にいると言いながら、その国では真夜中にあたる時間に毎日すぐ返事が来る、といった点です。もっとも、夜勤や生活リズムの違いもあり得るので、これだけで結論を出すのは避け、ほかの要素と重ねて見てください。
写真については、FTCが相手のプロフィール写真を逆画像検索し、別の名前や合わない情報と結びついていないか確かめるよう助言しています。消費者庁が2021年にまとめたマッチングアプリの資料も、この助言を海外の注意喚起の例として取り上げています。モデルのように整った写真ばかり、生活感のある写真が一枚もない、写真ごとに雰囲気が大きく違う、といった点も手がかりになります。警察庁は、公開された写真やAIを使えば本人の音声や動画まで作れてしまうと注意しており、ビデオ通話で顔を見たことも決め手にはなりません。
ただし、画像検索で何も見つからないことは、本人の写真である証明にはなりません。検索に引っかかりにくい写真を使っている可能性もあるからです。写真の使い回しを確かめる手順はプロフィール使い回しの確かめ方で詳しく説明しています。
自己紹介文では、暗号資産やFXで稼いでいる、趣味が投資や資産運用、副業で投資をしている、といった記載に注意してください。いずれも国民生活センターのチェックリストで注意項目とされているものです。「誠実な人を探している」「嘘をつく人は嫌い」など、信頼を強く求める言葉が並ぶのは珍しくありませんが、それが投資の話と一緒に出てくる場合は別です。
ここまでの内容を、プロフィールのどこを見て、何がそろったら注意するか、という形でまとめます。
| 見る場所 | 確かめること | 注意したい組み合わせ |
|---|---|---|
| 職業欄 | 中身を確かめる方法があるか | 確かめられない肩書き+しばらく会えない事情 |
| 年齢・経歴 | 数字の辻褄が合うか | 肩書きの多さ+同情を誘う身の上話 |
| 居住地 | 表示とメッセージの説明が一致するか | 日本在住の表示+「今は海外」の説明 |
| 写真 | 逆画像検索で別名義に結びつかないか | 生活感のない写真だけ+ビデオ通話を避ける |
| 自己紹介文 | 投資・資産運用の話がないか | 信頼を求める言葉+投資の話題 |
一つだけ当てはまる相手は、珍しくありません。二つ、三つと重なるうちに、外部アプリへの誘いやお金の話が加わったら、その時点でやり取りを止め、運営への通報を考えてください。
プロフィールに違和感があるだけの段階なら、次のように動けば十分です。
お金を求められている、あるいは送ってしまったなら、送る前でも後でも「#9110」(警察の相談窓口)か「188」(消費者ホットライン)に連絡してください。外国人を名乗る相手とのトラブル全体の流れは、送金前の確認点と相談先をまとめた記事で整理しています。本記事は一般的な情報提供であり、特定の人物や利用者を詐欺と判断するものではありません。
A. その必要はありません。警察庁の統計では、ロマンス詐欺でだます側が名乗った身分は日本国内の人物が約6割でした。国籍ではなく、職業や居住地、会えない理由、お金の話の組み合わせで判断してください。
A. 肩書きだけで判断はできません。ただ、日本から確かめられない職業で、しかもそれがしばらく会えない理由になっている場合は、FTCや自治体も注意を呼びかけている組み合わせです。お金の話が出たら応じないでください。
A. 年齢確認でわかるのは、その人が18歳以上かどうかまでです。職業や年収は本人の申告のままで、アプリが裏づけをとったものではありません。
A. 何も見つからないことは本人である証明になりません。検索に出にくい写真が使われる場合もあります。写真以外の要素とあわせて判断してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。