ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
マッチングアプリで知り合った外国人を名乗る相手のメッセージが、どこか機械翻訳のようで気になる。逆に、外国人なのに日本語が流暢すぎて不思議に思う。そんな人に向けた記事です。
結論はシンプルです。日本語が上手か下手かは、相手を見分ける決め手になりません。警察庁も、翻訳アプリや生成AIがあれば、だれでも他人を装うのはたやすいと警告しています。自然な日本語も、わざとぎこちない日本語も、今は道具で作れます。見るべきなのは言葉の質ではなく、会話の流れの中で相手が何を求めてくるかです。
日本語が不自然な利用者の多くは、単に日本語を学んでいる途中の人です。この記事では、言葉づかいに頼らずに判断するためのサインと確かめ方を、警察庁・消費者庁・国民生活センターの資料に沿って紹介します(2026年9月時点)。
一つ目は、道具の進歩です。警察庁の特殊詐欺対策サイトSOS47は、ロマンス詐欺の解説の中で、SNSで拾った写真に翻訳アプリやAIを重ねれば、別人を演じることも、本人そっくりの声や動画をこしらえることも可能だと説明しています。メッセージの日本語の自然さは、書き手の実像をほとんど映しません。
二つ目は、逆方向の思い込みです。「片言だから素朴で正直そう」「流暢だから日本に長く住んでいる本物だ」と、どちらの方向にも解釈できてしまいます。消費者庁が2021年12月にまとめた資料では、違和感の例として「日本語が不自然」も挙げられていますが、それはすぐに外部のIDを求める、すぐに投資話を持ちかけるといった行動と並べた一例としてです。なお警察庁は、著名人をかたる投資広告については、日本語の表記の誤りを不自然な点の一つに挙げています。ただしこれは不特定多数に向けた広告動画などの話で、一対一のメッセージは翻訳アプリで簡単に整えられるため、同じ物差しは当てはまりにくいと考えられます。
三つ目は、公平さの問題です。日本語が不自然というだけで相手を疑うと、日本語を勉強しながら真剣に相手を探している外国籍の利用者を傷つけることになります。警察庁の令和7年の統計でも、ロマンス詐欺でだます側が名乗った身分の約6割は日本国内の人物でした。言葉で線を引く方法は、効果も公平さも十分ではない、と編集部は考えています。
国民生活センターと警察庁が公表している被害の流れを重ね合わせると、言葉づかいとは関係なく現れる行動のサインが見えてきます。
警察庁のSOS47は、ロマンス詐欺で金銭をだまし取る手口の約7割以上が、二人の将来のためなどと言って投資に誘う形だとしています。言葉の違和感を探すより、4のサインが出ていないかに注意を向けるほうが、実際の被害に近いところを押さえられます。
国民生活センターは2022年3月、出会い系サイトやマッチングアプリ等をきっかけにしたロマンス投資詐欺について、財産的な被害が生じるまでの流れを8つの段階で示しました。この流れに前の章のサインを当てはめると、どこで立ち止まれば被害を防げるかが見えてきます。
| 段階(国民生活センターの整理を要約) | この段階で出やすいサイン |
|---|---|
| マッチングが成立する | 確かめにくい肩書き、会えない事情のある設定 |
| 会う前に別のサービスでのやり取りを持ちかけられる | 外部アプリへの移動を急ぐ |
| 投資サイトを案内され、送金を指示される | 将来の話と投資の話が混ざる、秘密にしてほしいと言う |
| 少額で利益が出たように見え、さらに高額を勧められる | 「今がチャンス」と急がせる |
| 出金しようとすると別の名目で送金を求められる | 手数料、税金、保証金などの名目が次々に出る |
| 相手とも投資サイトとも連絡が取れなくなる | ー |
表を見ると分かるとおり、日本語の自然さが関わる段階はどこにもありません。立ち止まる機会は、外部アプリへの誘いと、投資の話が出た時点の二回あります。この二つの場面を「必ず一度止まる場所」として決めておくと、相手の言葉づかいに気を取られずに済みます。
言葉の特徴がまったく役に立たないわけではありません。ただし、見るべきは文法の正確さではなく、会話がかみ合っているかどうかです。
| 手がかりになりにくいもの | 手がかりになりうるもの |
|---|---|
| 助詞の誤り、不自然な敬語、直訳のような言い回し | こちらの質問に答えず、定型の愛情表現で話をそらす |
| 日本語が上手すぎる、絵文字の使い方が日本風 | 以前の会話で話した内容を覚えていない、話が食い違う |
| 返信が長い、または短い | 時間帯や話題によって文体が急に変わる(書き手が複数いるように見える) |
右側の特徴は、一人の相手と向き合って会話しているのではなく、用意した文面を使い回している可能性を示します。別のアプリで同じ身の上話を見かけた場合の確かめ方は、メッセージ使い回しを見抜く方法で紹介しています。とはいえ、これらも単独では決め手にならないので、前の章の行動サインと組み合わせて判断してください。
相手を試すような質問をする必要はありませんが、自然な会話の中で確かめられることはあります。
ビデオ通話を確認の手段にする人もいますが、警察庁がAIで本人の音声や動画を作れてしまうと注意しているとおり、通話ができたことも本人の証明にはなりません。確かめた内容や気になった返事は、日付とあわせて簡単なメモにしておくと、後で振り返ったり誰かに相談したりするときに役立ちます。通話の最中に送金を促される流れについては、電話・ビデオ通話ができたら本物かでも扱っています。
言葉ではなく行動で判断すると決めておくと、相手の国籍や日本語力を話題にせずに済みます。これは相手への配慮であると同時に、自分を守るうえでも有効です。「あなたの日本語が変だから疑っている」と伝える必要はありません。
代わりに、自分のルールとして伝えます。
「会ったことのない人とはお金の話をしないと決めています」
「会うまではこのアプリの中でやり取りしたいです」
このルールに相手が怒る、責める、別の理由を次々に出してくるなら、それが判断材料です。反対に、ルールを尊重してくれる相手なら、日本語が多少ぎこちなくても、安心してやり取りを続けられる可能性が高まります。
国際的な出会いでは、愛情表現の強さや連絡の頻度などに文化の違いを感じる場面もあるでしょう。ただ、会ったことのない相手にお金や投資を求めることは、文化の違いでは説明がつきません。違いを受け入れることと、お金の線を守ることは両立します。
国民生活センターも、マッチングアプリ等は規約に従って利用し、そこで知り合った相手の指示で投資をしないよう呼びかけています。国籍や言葉ではなく、ルールと行動で線を引く。これが、この記事で一番伝えたい点です。
行動のサインが重なり、お金や投資の話が出た段階なら、送金する前に相談してください。
相談の際は、相手のプロフィール画面と、お金の話が出たメッセージの画面を手元に用意しておくと説明が早く済みます。記録の残し方は証拠の残し方、全体の手順はチェックリストで確認できます。すでに送金した場合も、あきらめずに早めに連絡することが大切です。ここで紹介した内容は判断の目安であり、返金などの結果を約束するものではありません。
A. 日本語の上手さから相手の国籍や身元は判断できません。翻訳アプリや生成AIで自然な文章は作れます。国籍を確かめるより、会う話が進むか、お金の話が出ないかを見てください。
A. 日本語がぎこちないだけで、やり取りをやめる必要はありません。外部アプリへの誘い、急な親密さ、お金や投資の話といった行動のサインが出ていないかで判断してください。
A. 日本語を指摘されて気分を害するのは自然な反応で、それだけでは判断できません。言葉の話題は避け、会う話の進み方や、お金の話が出るかどうかに目を向けてください。
A. はい。英語でも、文法の正確さより、質問への答え方、会う話の進み方、お金の話の有無を見てください。画面は英語のまま保存しておけば、相談の際にも使えます。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。