インスタDMの「マイナポイントがもらえる」は本物?事業終了後の偽案内

InstagramのDMに「マイナポイントの受け取り期限が迫っています」「未付与の2万円分をお受け取りください」といったメッセージが届いた。そんな方に最初にお伝えしたいのは、国のマイナポイント事業は申し込みもポイントの付与もすでに終わっているということです。総務省は、「マイナポイントを受け取れます」といったメールやSMSは全て詐欺だと強い言葉で注意を呼びかけています。

この記事では、事業が終わった経緯と日付、それでも「ポイント」の話が本物に見えてしまう理由(自治体の独自事業など)、Instagram上で公式アカウントかどうかを確かめる方法、情報を入力してしまった後の手当てを順に説明します。

マイナポイント事業はいつ終わったのか

総務省のマイナポイント事業のページには、マイナポイントの申し込みは令和5年(2023年)9月30日をもって終了したと書かれています。第2弾の内容と期限は次のとおりでした。

対象ポイント期限
マイナンバーカードを取得し、第1弾に申し込んでいない人など最大5,000円相当カード申請は2023年2月末まで、ポイント申込は2023年9月末まで
カードの健康保険証としての利用申込みをした人7,500円相当同上
公金受取口座を登録した人7,500円相当同上

ポイントの申込期限は当初2023年5月末でしたが、総務省が同年3月に9月末まで延ばすと発表しました。延長を経て締め切られた事業なので、「まだ受け取っていない分がある」「期限が迫っている」という案内が、国の事業として今届くことはありません。

同じページで総務省は、マイナポイント事務局が行うことは絶対にないこととして、メールやSMSでマイナポイント関連のサイトへ誘導すること、マイナンバーや金融機関の口座番号・暗証番号・資産の情報・家族構成などを尋ねること、通帳やキャッシュカードを預かること、金銭や手数料の振り込みを求めることを挙げています。DMで届く案内にも、同じ考え方を当てはめてください。

Instagram DMで届く「ポイント」案内によくある形

フィッシング対策協議会は2023年9月、マイナポイント事務局をかたるフィッシングの報告が増えているとして、「獲得した20,000円ポイントはまもなく失効します」「締め切り間近」「ポイントプレゼント」といった件名のメールを公表しました。偽サイトでは、氏名・住所・電話番号に加え、クレジットカード番号やセキュリティコード、3-Dセキュアの認証情報まで入力させる作りだったとしています。

DMの場合も、狙いは同じと考えられます。見かけやすい要素は次のとおりです。

  • 「マイナポイント事務局」「デジタル庁公式」などの名前と、それらしいロゴのアイコン
  • 「未受け取り」「失効間近」「第3弾」「抽選で当選」など、今すぐ動かないと損をすると感じさせる言葉
  • プロフィール欄やDM内のリンクから、申し込み画面に似たページへ誘導する
  • ポイントの受け取りに、クレジットカード情報や決済サービスのログインを求める

デジタル庁などがまとめた相談事例にも、すでにポイントを受け取っていたのに「2回目の付与があるのか」と思い、案内のサイトに個人情報やクレジットカード情報、パスワード、マイナンバー関連の情報を入力してしまった例が載っています。一度受け取った経験がある人ほど、「追加分」という話を信じやすい点に注意が必要です。

終わった事業の名前が使われ続ける理由

マイナポイントは、国が大々的に広報し、多くの人が申し込んだ事業でした。「2万円分」という金額や、申し込みの手間がかかったという記憶が多くの人に残っているため、名前を出すだけで関心を引きやすいのだと考えられます。また、第1弾と第2弾があったことから、「第3弾」「追加付与」と言われても不自然に感じにくい面もあります。事業の名前に聞き覚えがあることと、今その案内が本物であることは、切り離して考えてください。

自治体のポイント事業と見分けるには

話を少しややこしくしているのが、自治体が独自に行うポイント事業です。総務省の資料によると、国のマイナポイント事業で作られた仕組み(マイキープラットフォーム)を使い、自治体が決済サービス事業者と連携してポイントを配る「自治体マイナポイント」という施策があります。

そのため、「〇〇市のマイナポイント」という言葉自体が、すべて偽物というわけではありません。見分けるときは次の点を確かめてください。

  1. 住んでいる市区町村の公式サイトや広報紙に、その事業が載っているか。DMのリンクではなく、自分で検索して開いた自治体のサイトで確かめます。
  2. 対象者や期間、申請方法が具体的に書かれているか。自治体の事業には、対象となる住民や期間の条件があるのが普通です。
  3. 受け取りに手数料やクレジットカード情報を求めていないか。ポイントを受け取るために、先にお金を払わせる施策は考えにくいものです。

自分の自治体で事業が行われていないのに、DMで「〇〇市のポイント」が届いたなら、その案内は疑ってかかるべきでしょう。

Instagramで公式アカウントかどうか確かめる

Instagramでは、公式のロゴや名前をまねたアカウントを誰でも作れてしまいます。デジタル庁の公式サイトには、同庁が開設しているソーシャルメディアの一覧(2026年2月27日更新)が載っていて、Instagramは「digital_jpn」です。

同じページの運用ポリシーには、公式アカウントは原則として利用者の投稿への返信などを行わず、個別の情報提供や相談の受け付けもしないと書かれています。つまり、デジタル庁を名乗るアカウントからあなた個人にDMでポイントの案内が届くという状況自体が、公式の運用と合いません。

  • アカウント名(@以降)が、公式サイトの一覧と一字一句同じか
  • 投稿の数や開設時期が不自然ではないか(開設して間もないのに「公式」を名乗っていないか)
  • フォローしていないのに、向こうから突然DMが届いていないか
  • DMの文面に、送り先の名前がなく誰にでも送れる書き方になっていないか

名前の横に認証バッジが付いているかどうかも手がかりの一つですが、それだけで判断するのは避けましょう。バッジの有無を確かめたうえで、最終的には公式サイトに載っているアカウント名と照らし合わせるのが確実です。公式サイトは、DMのリンクではなく検索から開いてください。

InstagramのDMから始まるほかの役所名の連絡については、InstagramのDMから届く年金機構・役所をかたるSMSの記事もあわせてご覧ください。

情報を入力してしまったときの手当て

DMのリンク先で情報を入力してしまった場合は、何を入力したかによって優先順位が変わります。

クレジットカード番号・セキュリティコード

すぐにカード会社に連絡し、利用の停止と再発行を相談します。3-Dセキュアの認証情報(パスワードやワンタイムパスワード)を入力した場合も、あわせて伝えてください。その後しばらくは、明細に心当たりのない請求がないかを確認します。カードの停止と再発行後の手続きはカード停止・再発行の後にやることが参考になります。

マイナンバー・マイナンバーカードの暗証番号

0120-95-0178のフリーダイヤル(マイナンバー制度の総合窓口)に電話し、カードを一時停止すべきかを相談します。暗証番号はコンビニなどの端末や市区町村の窓口で再設定できる場合があります。

Instagramや決済サービスのログイン情報

パスワードをすぐに変更し、同じパスワードを使い回しているほかのサービスも変更します。二段階認証を設定しておくと、乗っ取りを防ぎやすくなります。

氏名・住所・電話番号だけ

これ以上の入力はせず、今後届く「ポイント」「当選」「給付」の連絡に注意してください。一度情報を入れると、別の名目で連絡が続くことがあります。

報告・相談の窓口

被害が出ていなくても、報告しておくことには意味があります。

  • Instagramへの報告:DMの画面や相手のプロフィールから報告し、ブロックします。報告の前に、相手のアカウント名とメッセージ画面を保存しておきましょう。
  • フィッシング対策協議会:偽サイトのURLやメッセージの内容を情報提供できます。
  • 消費者ホットライン188:お金を払った、カード情報を入れたなど、今後の対応を相談したいときに。
  • 警察相談専用電話 #9110:不正な請求が出ている、脅すような連絡が来ているときに。

家族や友人にも同じDMが届いていることがあります。自分が受け取ったことを周りに話し、「国のマイナポイントはもう終わっている」と伝えておくだけでも、身近な人が入力してしまうのを防ぐ助けになります。

保存しておく画面や記録の範囲は証拠の残し方、窓口に相談する前の準備はチェックリストにまとめています。

よくある質問

Q. マイナポイントは今からでも申し込めますか?

A. 国のマイナポイント事業は、申し込みが2023年9月30日で終了しています。総務省は、申し込みもポイントの付与も全て終わったと明記し、「マイナポイントを受け取れます」と誘うメールやSMSに乗らないよう呼びかけています。住んでいる自治体が独自のポイント事業を行っている場合は、その自治体の公式サイトで確認してください。

Q. インスタで「マイナポイント事務局」からDMが来ました。本物の可能性はありますか?

A. 総務省は、マイナポイント事務局がメールやSMSでサイトに誘導したり、口座番号や暗証番号を尋ねたりすることは絶対にないとしています。事業自体も終了しているため、DMのリンクは開かず、アカウントを報告してブロックしてください。

Q. マイナポイントのDMからカード情報を入れてしまいました。

A. まずはカードの裏面にある番号からカード会社に電話し、止めてもらうよう依頼しましょう。再発行の手続きもそこで案内されます。3-Dセキュアのパスワードなども入力した場合は、その旨も伝えます。そのうえで、明細を確認し、不安があれば188や#9110に相談しましょう。

Q. 市のホームページに「マイナポイント」という言葉がありました。国の事業とは違うのですか?

A. 自治体が独自に行う「自治体マイナポイント」という施策があります。国の仕組みを使って自治体がポイントを配るもので、対象者や期間は自治体ごとに決まっています。詳しくはその自治体の公式サイトで確認してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。