スマホ副業を友人に紹介してしまった|紹介した側の立場と今からできること

自分が始めたスマホ副業を友人や知人に紹介し、その後で「本当に大丈夫だったのか」と不安になっている人に向けた記事です。紹介料を受け取った人、友人がお金を払ってしまった人、自分も払っていて被害者でもある人、いずれの立場でも読めるように書いています。

結論を先に書くと、今日から紹介をやめ、自分と友人の記録をそろえ、友人と一緒に相談先へつなぐことが、紹介した側にできるいちばん確かな行動です。紹介の仕組みによっては、特定商取引法の「連鎖販売取引」のルールがかかり、紹介する個人も規制の対象に含まれることがあります。自分を責め続けるより、被害をこれ以上広げない動きを先に取りましょう。

紹介した側が抱えやすい三つの不安

紹介した側からの相談は、おおむね次の三つの不安に分かれます。

  • 友人に損をさせたのではないか:自分の勧めで友人が登録料やマニュアル代を払い、稼げていない。
  • 自分にも責任があるのではないか:紹介するたびに報酬が入る仕組みで、知らないうちに勧誘する側になっていた。
  • 受け取ったお金をどうすればいいか:紹介料が手元にあるが、使ってよいのか、返すべきなのかわからない。

どの不安も、放っておくと友人関係と自分の気持ちの両方を少しずつ削っていきます。まずは、自分が関わった仕組みがどんな取引なのかを知ることから始めてください。取引の形がわかれば、友人が使える制度も、自分が相談できる窓口も見えてきます。

自分も「最初の被害者」であることが多い

紹介する側に回った人の多くは、最初は誘われて参加した一人です。説明を信じて始め、「紹介すれば元が取れる」と言われて身近な人に声をかけた、という流れは珍しくありません。責任を感じるのは自然なことですが、自分の支払いについても相談してよい立場だということを忘れないでください。

紹介の仕組みが「連鎖販売取引」に当たる場合

特定商取引法の解説サイト(消費者庁)は、連鎖販売取引を、物や役務を売る事業のうち、それを転売したり販売をあっせんしたりする人を「特定利益」が得られると言って誘い、「特定負担」を伴う取引をさせるもの、と説明しています。スマホ副業に当てはめると、次の二つがそろうかどうかが目安になります。

要素スマホ副業での例
特定利益友人を紹介して登録させると、紹介料やボーナスがもらえる
特定負担参加するために、登録料・マニュアル代・会員費などを払う

規制を受けるのは会社だけではない

同じガイドでは、規制の対象として、事業全体を実質的に握る「統括者」、統括者が勧誘を行わせる「勧誘者」、それ以外で連鎖販売業を行う「一般連鎖販売業者」の三者が挙げられています。つまり、会員として友人を誘う個人も、勧誘者や一般連鎖販売業者として、ルールを守る側に立つ可能性があるということです。

  • 勧誘の前に、事業者の名称、特定負担を伴う取引の勧誘であること、商品の種類を告げる(法第33条の2)
  • うその説明をしない、脅して困らせない、目的を隠して呼び出さない(法第34条)
  • 契約前に概要書面、契約後に契約書面を渡す(法第37条)

SNSで紹介リンクを広く流していた場合

友人に個別に声をかけるだけでなく、SNSのプロフィールや投稿に「スマホだけで月◯万円」「詳しくはリンクから」と載せていた場合、その投稿は勧誘のための広告として見られる可能性があります。特定商取引法ガイドでは、連鎖販売取引の広告に商品の種類や特定負担の内容、事業者の連絡先などを表示すること(法第35条)、事実と著しく違う表示をしないこと(法第36条)、承諾していない人に電子メール広告を送らないこと(法第36条の3)が定められています。

運営側から渡された宣伝文句や収入の画像をそのまま載せていたなら、その内容が本当かを自分では確かめられていないはずです。記録を保存したうえで投稿を止め、どんな文面を、いつから、どこに載せていたかをメモしておくと、相談の際に説明しやすくなります。

編集部としては、「知らなかった」から始まった紹介でも、仕組みに気づいた今日からは続けないのが、自分を守るうえでも友人を守るうえでも最善だと考えます。

これ以上広げないために、今日やめること

紹介をやめると決めたら、次の順で手を止めていきます。

  1. 記録を先に保存する:自分が受けた説明、紹介用のリンクや画像、友人とのやり取り、紹介料の入金記録をスクリーンショットで残します。
  2. 紹介の投稿や案内を止める:SNSのプロフィールや投稿に紹介リンクを載せているなら、保存を済ませたうえで非公開にするか削除します。
  3. 勧誘中の人に連絡する:話を持ちかけている途中の相手には、「自分も仕組みをよく確かめていなかったので、いったん止めてほしい」と伝えます。
  4. 運営側からの指示に応じない:「あと何人紹介すれば元が取れる」「ランクが下がる」と言われても、新たな勧誘や追加の支払いはしません。

記録の保存を先にするのは、後で友人が解約や取消しを求めるときに、どんな説明で誘われたかを示す材料になるからです。スクリーンショットの撮り方や保存先の分け方は、証拠の残し方のページで具体的に説明しています。

自分の退会は「記録が残る形」で伝える

自分も会員をやめるなら、アプリを消したりグループを黙って抜けたりする前に、運営側へ退会や解約の意思をメールやメッセージなど文字で残る形で伝えます。連鎖販売取引に当たるなら、クーリング・オフの期間を過ぎていても中途解約の制度があるため、送った日時と文面は控えておきます。返事がない、引き留めが続くといった場合も、その記録ごと相談先に見せれば状況が伝わります。

紹介した友人が使える解約・取消しの制度

友人のお金を取り戻せる可能性があるのは、多くの場合、友人自身が運営側に対して使う制度です。紹介した側ができるのは、制度を知らせ、記録を渡し、相談に付き添うことです。

  • クーリング・オフ:連鎖販売取引なら、契約書面を受け取った日から20日以内は、書面または電磁的記録で契約を解除できます(法第40条)。紹介する仕組みがなく、仕事の提供を約束して教材などを買わせる形なら、業務提供誘引販売取引として同じく20日のクーリング・オフがあります(法第58条)。
  • 中途解約と返品:連鎖販売取引では、クーリング・オフの期間を過ぎても将来に向けて契約をやめることができ、入会から1年以内で、引渡しから90日以内の未使用の商品などは返品できる場合があります(法第40条の2)。
  • 取消し:勧誘のときに大事な点で事実と違う話をされた、または知らされるべきことを伏せられていて、それを信じて入会したのなら、申込みそのものを取り消す道があります(法第40条の3)。

どの制度が使えるかは、契約書面の有無や日付、説明の内容で変わります。友人と一緒に188へ電話し、消費生活センターで書類を見てもらうのが近道です。紹介の仕組みとマルチ商法の境目については友人に誘われた副業はマルチかの記事でも取り上げています。

受け取った紹介料と、自分が払ったお金の整理

紹介料の扱いは、仕組みや契約の内容、友人との関係によって考え方が分かれるため、ここで一律の答えを出すことはできません。ただ、どう扱うにしても、整理の仕方は共通しています。

  1. 受け取った紹介料の一覧:いつ、誰の紹介で、いくら、どの方法で受け取ったか。
  2. 自分が払ったお金の一覧:登録料、マニュアル代、追加のプラン代など。
  3. 紹介した人の一覧:友人それぞれがいつ登録し、いくら払ったか(わかる範囲で)。

紹介料をすぐに使わず、別にしておくのも一つの方法です。友人への埋め合わせを自分の判断で先に払ってしまうと、友人が運営側へ請求するときの金額の整理が複雑になることもあります。肩代わりを決める前に、一覧を持って相談先の意見を聞くほうが、結果的に友人のためになる場面が多いと編集部は考えます。

友人への伝え方と、一緒に使える相談先

友人に打ち明けるときは、言い訳より先に事実を伝えるほうが、話が前に進みます。たとえば「自分も仕組みをよく確かめないまま勧めてしまった。今わかっている制度と相談先を一緒に確かめたい」という形です。相手が怒っている場合でも、記録と一覧を渡せば、友人は自分で動くための材料を持てます。

  • 消費生活センター:188番で地元の窓口につながります。友人と自分が別々に相談しても、同じ窓口に一緒に行っても構いません。
  • 警察:運営側と連絡が取れない、説明と実態が大きく違うといった場合は、警察相談専用電話 #9110 へ。
  • 弁護士:紹介料の扱いや、友人との間の金銭の話し合いに不安があるときは、法テラスや弁護士会の法律相談を利用できます。

国民生活センターは、簡単に稼げるとうたう副業で、最初に少額の報酬を受け取った後に高額の支払いを次々に求められる事例を公表しています。最初の報酬や紹介料が入ったことは、仕組みの安全さを示すものではありません。似た誘いを別の友人から受けたときの断り方は友人からLINEで副業に誘われたらで紹介しています。

よくある質問

Q. スマホ副業を友人に紹介しただけで、法律違反になりますか?

A. 紹介しただけで直ちに違反になるとは限りません。ただ、仕組みが連鎖販売取引に当たる場合、勧誘する個人も規制の対象に含まれることがあり、うその説明をしない、書面を渡すといったルールがかかります。気づいた時点で紹介をやめ、188に相談してください。

Q. 紹介した友人が払ったお金は、自分が返さないといけませんか?

A. 一律には言えません。友人が運営側に対してクーリング・オフや中途解約、取消しを求められる場合もあります。自分がお金を出すかどうかは急いで決めず、受け取った紹介料と友人の支払額を書き出したものを持って、188や弁護士に意見を聞くのがおすすめです。

Q. 紹介した友人のクーリング・オフの期限はいつまでですか?

A. 連鎖販売取引や業務提供誘引販売取引であれば、契約書面を受け取った日から20日以内です。書面を受け取っていない場合などは扱いが変わることがあるため、書類をそろえて相談してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。