Facebookで病気の悩みを投稿後に浄霊グッズを勧められたら|治療とお金を守る確認

Facebookに家族の入院や自分の持病、介護の疲れを書いたところ、知らない人やグループの参加者から「その病気は霊的な原因かもしれない」「浄霊した品を置けば良くなる」とメッセージが届いた。この記事は、そんな場面を想定しています。

最初に2つのことをお伝えします。治療や薬をやめるかどうかは、勧めてきた人ではなく主治医と決めてください。そして、病気や家族への災いを霊感で告げて品物を売る勧誘は、消費者契約法が取消しの対象として想定している典型的な形です。以下では、投稿から勧誘までの流れ、治療をやめさせようとする言葉への向き合い方、「病気が治る」とうたう品の表示ルール、契約の取消し、公開範囲の見直し、支払った後の連絡先を順に説明します。

悩みの投稿から勧誘のメッセージまでの流れ

Facebookは実名での利用が基本で、友達の友達やグループのメンバーにも投稿が届きやすい仕組みです。温かい励ましが集まる一方で、悩みの中身と名前、住んでいる地域、家族構成が一度に見えてしまうこともあります。浄霊グッズの勧誘は、たとえば次のように進みます。

  • 病気や不幸を書いた投稿に、共感のコメントやリアクションがつく
  • コメントした人からメッセンジャーで個別に連絡が来る。「私も同じ経験をした」と距離を縮めてくる
  • 「病院では原因が分からないこともある」「ご先祖の供養が足りていない」と霊的な説明を持ち出す
  • 浄霊したという数珠、お札、置物、水などを勧め、値段を示す
  • 「ご家族のためにできることはこれしかない」と決断を迫る

勧めてくる人が同じグループのメンバーや友達の友達であることも多く、「知り合いの知り合いだから」と警戒がゆるみがちです。相手が誰であっても、病気と霊をつなげて品物を売る話が出たら、それはいったんやり取りを止めて考える合図です。

グループのお茶会や勉強会に呼ばれて、その場で買った場合

メッセージだけでなく、「同じ悩みを持つ人の集まりがある」「無料のお話会がある」と会場やカフェに呼び出され、そこで浄霊グッズを買うこともあります。物を売る目的を伏せたままSNSのメッセージなどで人を呼び出し、その先で契約を結ばせる手法は「アポイントメントセールス」と呼ばれ、特定商取引法では訪問販売に含まれると消費者庁のガイドが説明しています。訪問販売として扱われるなら、決められた書面を受け取ってから8日間はクーリング・オフの対象です。誘いの文面に販売の話が書かれていたか、会場で初めて品物を出されたのかが判断を分けるため、呼び出しのメッセージは消さずに残し、会場の名前や住所、その場にいた人数、渡された書類もメモしておきましょう。

不安が強いときほど、「何かしてあげたい」という気持ちが判断を急がせます。その気持ち自体は自然なものです。ただ、その場で支払いを決める必要はどこにもありません。

「治療をやめて」「薬は毒」と言われたときの考え方

浄霊や開運を理由にした勧誘には、品物を買わせるだけでなく、医療から遠ざけようとする言葉が混じることがあります。「薬が霊の力を弱める」「入院させると悪い気が強まる」といった言い方です。

この記事は医療の判断を示すものではありません。そのうえで、はっきり言えることがあります。治療を続けるか、やめるか、変えるかは、病状を知っている医師と相談して決める事柄です。勧誘してきた人の言葉を理由に自分の判断で薬をやめたり、受診を先延ばしにしたりしないでください。迷いがあるなら、主治医に「こういうことを言われた」とそのまま話してかまいません。

病気の当事者が家族で、本人が勧誘者の言葉を信じ始めている場合、頭ごなしに否定すると話がこじれやすくなります。「次の診察で先生にも聞いてみよう」と主治医への相談を提案する、診察に付き添う、といった形で医療とのつながりを保つことを優先しましょう。高齢の親が開運グッズを買っていた場合の家族の動き方は、高齢の親が風水・開運グッズを買っていたときの記事にまとめています。

「病気が治る」とうたう品物の表示ルール

数珠や石、置物、「浄化水」などは、一般に医薬品でも医療機器でもありません。広島県の案内によると、医薬品医療機器等法(薬機法)のもとで効能や効果を示せるのは医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器に限られ、健康食品やアクセサリー(医療機器でないもの)が効能・効果を標ぼうすることは禁止されています。同県は、ブレスレット型アクセサリーの販売会場で配られたパンフレットに血行不良・冷え性・神経痛などの改善を書いた例を、同法第68条違反の事例として紹介しています。

浄霊グッズの勧誘で気にしたいのは、次のような説明です。

  • 「この品を置けば腫瘍が小さくなる」など、病名と改善を結びつける
  • 「痛みが消える」「血の流れが整う」など、体の働きへの効き目を言う
  • 「病院の薬より効く」と、医療と比べてみせる

こうした説明がメッセージや配布物に残っていれば、画面や紙を保存し、都道府県の薬務を担当する課や保健所に情報提供できます。表示の問題を指摘しても、それだけで払ったお金が戻るわけではありません。それでも、同じ説明で勧誘される人を減らすことにはつながります。

家族の病気への不安を突く勧誘と、契約の取消し

霊感を持ち出す勧誘について、消費者契約法は第4条第3項第8号で取消しのルールを置いています。対象は、霊視のように確かめようのない力で見えたことだとして、買う人本人や親族の生命・身体などに深刻な害が及ぶと告げる勧誘です。ポイントは、不安をかき立てる場合に加えて、相手がもともと抱えている不安に乗じる場合もはっきり含めていること。そのうえで「害を避けたいならこの契約しかない」と迫られて結んだ契約が、取消しの対象になります。

「親族」と「不安に乗じて」が条文に書かれていることは、この記事の場面に直接関わります。家族の病気を投稿した人は、もともと強い不安を抱えています。そこへ「浄霊しなければ命に関わる」と告げて品物を売る形は、条文が想定する場面に近いと考えられます。この規定による取消しは、追認できるようになってから3年以内、契約の日から10年以内に行う必要があります(第7条)。

同じ第4条第3項の第9号・第10号は、申込みの前に「すでに祈祷を始めた」「あなたのために特別に浄化した」と実施済みを持ち出して契約や支払いを迫る形も取消しの対象にしています。いつ、どの言葉で勧められたかを、保存した記録と照らして確かめてください。条文の当てはめや期間の数え方をもう少し知りたい方は、スピリチュアル商法の高額請求の記事へ。

Facebookの公開範囲を見直して次の勧誘を減らす

同じような勧誘を繰り返し受けないために、設定も見直しておきましょう。Facebookのヘルプセンターでは、投稿を作るときにプライバシー設定の選択ツールで「公開」「友達」「自分のみ」などの共有範囲を選べると案内しています。

  • これからの投稿: 病気や家族のことを書くときは、共有範囲を「友達」か、特定の友達だけに絞る。
  • 過去の投稿: ヘルプセンターで案内されている「過去の投稿を表示できる利用者を制限」を使うと、以前に広い範囲で共有した投稿の範囲をまとめて狭められます。アクティビティログから1件ずつ見直すこともできます。
  • プロフィール: 住んでいる地域、出身地、家族の登録、勤務先などの公開範囲も確かめる。
  • グループ: 公開グループへの投稿はメンバー以外にも見えることがあります。悩みを相談する前に、グループの公開設定を確認する。

見知らぬ相手からのメッセージには返信しないのが基本です。すでに勧誘を受けたアカウントがあれば、やり取りを保存してから通報し、必要に応じてブロックしてください。投稿を削除しても、相手がすでに内容を控えている可能性はあります。削除より先に、公開範囲を狭めることを考えるとよいでしょう。

支払ってしまったあとの連絡先と順番

お金を払ってから不安になった場合は、次の順番で動くと整理しやすくなります。

  1. 記録を集める: 投稿、コメント、メッセンジャーの会話、支払いの控え、届いた品物と同梱物。
  2. 支払い手段の窓口に連絡する: カードならカード会社、振込なら自分の銀行、電子マネーなら発行会社。
  3. 公的な相談窓口に相談する: 188に電話すると消費生活センターにつながります。脅すような言葉やしつこい連絡があれば、警察相談専用電話の#9110へ。霊感を使った勧誘については、法テラスの専用ダイヤル(0120-005931、平日9時30分〜17時、無料)も使えます。
  4. 弁護士に相談する: 取消しの通知や交渉を任せたい場合。当サイトの相談予約や、相談前に確かめたいことをまとめたチェックリストもご利用ください。

相談の際に、病気や家族の事情を細かく話す必要はありません。「どんな言葉で、何を、いくらで勧められたか」が伝われば十分です。話したくないことは話さなくてかまいません。

よくある質問

Q. Facebookで知り合った人から、浄霊グッズで家族の病気が良くなると言われて買いました。取り消せますか?

A. 霊感などを理由に家族の命や体への深刻な害を告げ、契約が必要不可欠だと迫られて買ったのであれば、消費者契約法の霊感に関する規定(第4条第3項第8号)を根拠に、取り消せないか検討する余地があります。当てはまるかは個別に判断されるため、やり取りを保存して188で相談してください。

Q. 相手は「効くとは言っていない、お守りとして売っただけ」と言っています。

A. 実際にどう説明されたかは、メッセージや配布物の記録で確かめることになります。「病気が良くなる」「治療より効く」といった言葉が残っていれば、それが大切な材料です。記録を消さずに相談してください。

Q. 投稿を削除すれば勧誘は止まりますか?

A. 削除しても、相手がすでに内容を控えている可能性があります。共有範囲を狭める、勧誘してきたアカウントを通報・ブロックする、見知らぬ相手に返信しない、といった対策を組み合わせてください。

Q. 家族が勧誘者の話を信じていて、病院に行きたがりません。

A. 否定から入るより、「先生にも聞いてみよう」と主治医への相談を勧めるほうが受け入れられやすいことがあります。お金の面は、家族からの相談として188でも受け付けています。命に関わる状況なら、ためらわず医療機関や救急に連絡してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。