Facebookで台湾出身を名乗る相手から投資の誘い|友達申請後の流れと相談先

最初に結論を書きます。Facebookで知り合った相手が投資の話を始めたら、相手が本当に台湾の人かを確かめるより先に、送金をいったん止めてください。プロフィールの肩書きや「共通の友達」の表示は、相手の身元を保証してくれるものではありません。

この記事は、Facebookで友達申請やMessengerのメッセージを受け取り、「台湾出身」「台中で貿易の仕事をしている」などと自己紹介した相手と親しくなった人に向けて書いています。会話の中に投資アプリや暗号資産の話が混ざり始め、どう受け止めればよいか迷っているかもしれません。

はじめに断っておくと、名乗られる出身地は、詐欺の筋書きの中で相手が自由に選べる設定の一つにすぎません。台湾の人を疑うための記事ではなく、どこの出身を名乗る相手にも同じように使える確かめ方を、警察庁・金融庁・国民生活センター・消費者庁の公表資料をもとにまとめました。

Facebookは件数より被害額で目立つ入口

SNS型ロマンス詐欺として警察が2025年の1年間に把握したのは5,645件です。警察庁の資料によれば、このうちFacebookで最初に接点を持ったケースが1,049件(18.6%)ありました。マッチングアプリ、Instagramに次いで3番目に多い入口です。

2026年1〜6月の暫定値を見ると、Facebookが入口になった件数は449件で、前年の同じ時期より8.9%減っています。ところが被害額は63.2億円にのぼり、ロマンス詐欺全体(246.6億円)の25.6%を占めました。件数で見た割合(17.9%)より被害額の割合のほうが大きいので、1件ごとの被害が膨らみやすい入口だと読み取れます。

恋愛を装わないSNS型投資詐欺でも、Facebookが入口だったものは2026年上半期に552件と、前年同期から7割あまり増えました。著名人になりすました偽アカウントや偽広告がFacebook・Instagramに出回り、クリックした人をLINEグループや詐欺サイトへ連れていく手口についても、金融庁が注意を促しています。恋愛から近づく入口と、投資広告から近づく入口が、同じアプリの中に並んでいる状態です。

「台湾出身」という名乗りは、相手の身元を語らない

警察庁が2025年の被害を分析した資料によると、ロマンス詐欺の加害側が自分の住む地域として名乗ったのは、日本国内という設定が最も多く3,461件、全体の約6割でした。ほかに東アジア、日本(国外)、東南アジアといった地域もみられるとされています。職業の名乗りでは投資家(627件)がいちばん多く、その次に会社員の507件、会社役員の378件という順でした。医療や芸能の世界の人を装う例も挙げられています。

ここから見えてくるのは、名乗る地域や職業が、狙う相手の関心や筋書きに合わせて選ばれているということです。台湾へ旅行したことがある人や、台湾の料理やドラマが好きな人には、「台湾出身」という自己紹介が親しみを持ってもらう近道になります。「台湾ではみんなFacebookを使っているから」と言われれば、Facebookで声をかけてきた理由にも一応の筋が通って聞こえるでしょう。

だからといって、相手の出身地を疑ってかかる必要も、証明を求める必要もありません。プロフィールの顔写真が、台湾で普通に暮らしている誰かのものを無断で拝借しただけ、ということもありえます。筆者の考えでは、判断の軸は「相手が誰か」ではなく「お金をどこへ動かそうとしているか」に置くのがいちばん確かです。

Facebookならではの近づき方と、プロフィールで見ておく点

Facebookは実名での登録を基本にしたサービスなので、ほかのSNSより相手をきちんとした人だと感じやすい面があります。その印象を足がかりにした近づき方として、次のような流れが考えられます。

  1. 面識のない人から友達申請が届く。画面には共通の友達が数人表示されている
  2. 承認すると、Messengerに「プロフィールを見て話してみたくなった」とメッセージが来る
  3. 仕事や家族の話を重ね、数週間のうちに恋人どうしのような言葉が増えていく
  4. 「おじが投資の専門家」「私も副業で運用している」と、話題が投資へ移る

友達申請を承認する前、あるいはやり取りを続けるかどうか考えるときに、プロフィールの次の点を見てください。どれか1つで結論は出せませんが、いくつも当てはまるなら距離を置く理由になります。

見る場所気にかけたい様子
投稿の履歴数年前までさかのぼれる投稿がなく、最近になって写真だけがまとめて載っている
友達の一覧ごく最近作られたようなアカウントが多い、あるいはあなたと同じ年代・性別の人に偏っている
共通の友達表示されている「共通の友達」が、実はあなた自身もよく知らない人ばかり
写真広告のように整った写真が中心で、日常の一コマや友人と写った写真が見当たらない
職業・学歴投資家、会社経営者、医師など、収入の話につなげやすい肩書きが並んでいる

写真が別人のものかどうかを画像検索で調べる手順は、Instagramで台湾出身を名乗る相手を扱った記事で紹介しています。Facebookのプロフィール写真にも同じやり方が使えます。

MessengerからLINE、投資アプリへ移るときの合図

2025年の警察庁の集計では、ロマンス詐欺の最初の接触手段はダイレクトメッセージが9割を超え、その中でFacebookのメッセージが1,003件を占めていました。一方で、被害にあった時点の連絡手段は93.8%がLINEです。Messengerでの会話は、どこかの段階で別のアプリへ移される前提で進むものだと考えておくと、この先の展開を予想しやすくなります。

会話の中に次のような言葉が出てきたら、そこが立ち止まる合図です。

  • 「Messengerは通知が遅いから、LINEで話そう」
  • 「このアプリで一緒に運用すれば、二人の将来の資金になる」
  • 「最初は少しだけでいいよ。利益が出たらすぐ引き出せるから」
  • 「家族に話すと反対されるから、二人だけの計画にしよう」
  • 「今週中に入金すれば、特別な枠に入れてもらえる」

「少しだけ」から始まる流れは、公的機関の資料にも出てきます。国民生活センターが2022年に紹介した相談では、マッチングアプリで知り合った男性に投資サイトを勧められた30歳代の女性が、初めの少額で利益が出たことで信用し、借り入れまでして約500万円を入れていました。いざ引き出そうとすると「利益の15%、180万円を保証金として」と言われ、追加で50万円を用意したあと、相手とは音信不通になりました。入口がFacebookでも、たどる道筋はよく似ています。

このうち投資の話が出た段階で、指定された投資サイトやアプリの運営会社名を控え、金融庁の一括検索で登録の有無を見てください。金融商品取引業や暗号資産交換業の登録が見つからない相手にお金を預けるのは、避けたほうがよい選択です。検索のしかたはLINE投資グループに誘われたときの記事で順を追って説明しています。

ブロックする前に残すものと、Facebookへの報告

やり取りをやめると決めたら、ブロックより先に記録を取ります。相手がアカウントを消してしまうと、プロフィールも会話もたどれなくなるからです。

  • 相手のプロフィール画面(表示名、プロフィールのURL、職業欄、写真)
  • Messengerの会話の全体。日付が分かるように、古いものから順に
  • LINEに移ったあとのトーク画面と、投資サイトのURL、ログイン後の画面
  • 振込の控えや、暗号資産を送った記録

画面の保存方法やファイルの分け方は証拠の残し方を見てください。

記録を取り終えたら、Facebook側にも知らせておきましょう。Messengerのヘルプセンターでは、パソコンのブラウザ版の場合、会話のスレッドを開いて右上の「情報」から「プライバシー設定とサポート」へ進み、「報告」を選ぶ手順が案内されています。なりすましを報告するなら、カテゴリで「他の人になりすましている」を選びます。メニューの名前はアプリの更新で変わることがあるので、見当たらないときはヘルプセンターで最新の手順を確認してください。

警察の側でも、詐欺に悪用されたアカウントの停止を促すため運営会社のMetaへ情報を送っていて、2025年に投資・ロマンス詐欺の分として伝えた件数は351件でした。写真を無断で使われている人がどこかにいるかもしれないと考えれば、報告はその人を守ることにもつながります。

お金を送ってしまったときの連絡先

いまの状況連絡する先
国内の銀行口座へ振り込んだ振込先の金融機関と、自分の取引銀行。気づいた時点ですぐに
だまされたと気づいた、相手から脅すような連絡が来る最寄りの警察署、または警察相談専用電話#9110(差し迫った危険があるときは110番)
勧められた投資先の業者について聞きたい金融庁の相談ダイヤル(詐欺的な投資の相談専用。ナビダイヤル0570-050588。平日の10時から17時まで)
契約や支払いの取り消しについて知りたい消費者ホットライン188

相談に行く前に、送金した日付と金額、送金先、相手と知り合ってからの経緯を時系列のメモにしておくと、説明がぐっと楽になります。警察へ持っていくものは警察に相談するときの準備にまとめました。

もう一つ気をつけたいのが、被害にあったあとに届く連絡です。消費者庁は、「返金手続を代行する」「国の救済制度により返金を受けられる」などと持ちかけて金銭を求める二次被害に注意を促しています。Facebookの広告やメッセージで「お金を取り戻せます」と近づいてくる人がいても、お金を払う約束をする前に、二次被害の注意点を確認しておきましょう。

よくある質問

Q. Facebookで台湾出身の人から友達申請が来ました。承認しても大丈夫ですか?

A. 申請が届くこと自体は珍しくありません。承認するかどうかは、投稿の履歴や、共通の友達が本当にあなたの知り合いかを見て決めてください。承認したあとも、投資やお金の話が出たら応じないと決めておけば、被害は防ぎやすくなります。

Q. 共通の友達がいる相手なら、信用してもいいですか?

A. 共通の友達の表示は、その人たちが相手の申請を承認したことを示すだけで、身元を確かめた結果ではありません。気になるなら、共通の友達本人に、相手を直接知っているかどうか尋ねてみる方法があります。

Q. 相手はMessengerのビデオ通話にも出てくれました。それでも疑うべきですか?

A. 顔が見えたとしても、勧められた投資先が金融庁の登録を受けた業者かどうかは分かりません。相手を疑うかどうかより、お金の行き先を金融庁の一括検索で確かめることを優先してください。

Q. Facebookの広告で見た投資の話から、台湾出身を名乗る人とのやり取りが始まりました。

A. 偽の投資広告からLINEグループなどへ引き込む手口は、金融庁も名指しで警戒を呼びかけています。入金前ならそこで手を止め、広告の画面とURLを保存したうえで、金融庁の詐欺的な投資に関する相談ダイヤルや188に相談してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。