仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
電話で「抽選であなたが特別枠に選ばれました」「今日中なら上場前の価格で買えます」と仮想通貨(暗号資産)を勧められたら、その場で返事をせず、いったん電話を切り、相手の会社を自分で調べ直すことを最優先にしてください。電話口で登録番号を告げられても、それが本当にその会社のものかは通話中には確かめようがありません。
この記事では、電話で持ちかけられる特別案件のうち、別の会社や人物が次々と現れる「劇場型」の流れに絞り、通話中にできること、「誰にも言わないで」と口止めされたときの考え方、支払った後の動き方を順に説明します。電話を受けた本人だけでなく、離れて暮らす親の様子が気になる家族にも役立つよう書いています。
国民生活センターは、複数の人物が登場して話を本当らしく見せかける勧誘を「劇場型勧誘」と呼び、老人ホームの入居権を題材にした電話などで繰り返し注意を呼びかけてきました。暗号資産の特別案件でも、役割を分けた電話が続く形が考えられます。よくある順番は次のとおりです。
名乗る会社がばらばらでも、話が一本の筋でつながっているなら同じグループからの電話を疑ってよい、というのが筆者の見方です。とくに「高く買い取りたい」という第三者が現れた時点は、はっきりとした警戒サインとして受け止めてください。
予告役が送ってくる封書やパンフレットは、立派な会社案内や「割当通知書」のような体裁になっていることがあります。印刷物があると話が本物らしく見えますが、書面の出来の良さは、相手が登録を受けた業者かどうかとは関係がありません。
警察庁の令和8年上半期の暫定値では、住所や資産、使っている金融機関などを探る「予兆電話」を警察が把握した件数が119,778件でした。前年同期より減ってはいるものの、1か月あたりおよそ2万件にあたります。
警察庁はまた、令和7年に特殊詐欺で使われた電話番号のうち約75.5%が国際電話番号(+1や+44などで始まる番号)だったと公表しています。見慣れない「+」付きの番号からの着信は、それだけで慎重に扱う理由になります。
同じ上半期の特殊詐欺全体では、65歳以上の被害が9,230件・817.8億円にのぼりました。SNSを使わない人にも直接届くのが電話の特徴で、投資の話が固定電話にかかってくることも珍しくありません。
メモを取ったら「検討します」とだけ伝えて電話を切りましょう。そのうえで、金融庁の「金融事業者一括検索機能」に聞き取った名前や電話番号を入れ、登録業者と一致するかを調べます。名前が登録業者とそっくりでも、電話番号や所在地が食い違っているなら、名前だけを借りた別人の可能性があります。無登録業者として警告を受けた名称の一覧も一緒に確認しておくと安心です。
登録業者の名前が出てきた場合は、一覧に載っているその会社の代表番号や公式サイトの問い合わせ先へ、自分からかけ直して「こういう勧誘をしているか」を尋ねるのが確実です。
電話を切りにくいときは、「今日は決めません。必要ならこちらから連絡します」と短く伝えるだけで構いません。理由を詳しく説明する必要はありません。スマートフォンや電話機に通話録音の機能があれば、使っておくと後で内容を正確に振り返れます。
特別枠の電話には、「ほかの方には内緒の枠です」「ご家族に話すと割り当てが取り消されます」といった口止めがしばしば添えられます。相談させないことで、途中で誰かに止められるのを防ぐねらいがあると考えられます。
事業者との契約について、消費者契約法第4条第3項第4号は、契約するかどうかを相談するために電話などで第三者に連絡したいと伝えたのに、事業者が威迫するような言動でそれを妨げ、困って契約してしまった場合に、その契約を取り消せると定めています。同じ条文の第1項第2号は、将来の値動きのように不確かなことについて断定的な判断を示し、それを確実だと思い込ませた場合の取消しを定めています。この取消しは、追認が可能になった時から1年以内、しかも契約の時から5年以内でなければ使えません。
ただし、相手が名前も所在地も偽っている場合、取消しを伝えても届かないことが多いのが実情です。法律は「相談を止めようとする相手は、それだけで距離を置くべき相手だ」と判断する支えとして使い、実際の動き方は下の窓口と一緒に考えるのがよいと筆者は考えます。
一度電話に出て話を聞くと、反応があった番号として同じ系統の電話が続くことがあります。次の対策を組み合わせてください。
親と離れて暮らしている場合は、「知らない会社から投資や権利の電話が来たら、返事をする前に必ずこちらに電話して」と約束しておくだけでも歯止めになります。
劇場型の電話では、本人が「自分だけが選ばれた」「内緒にしなければいけない」と思い込むため、周りが気づくのが遅れがちです。次のような変化があれば、責める口調は避けて話を聞いてみてください。
声をかけるときは「だまされている」と決めつけるより、「その会社を一緒に調べてみよう」と誘うほうが、本人も事情を話しやすくなります。金融庁の登録一覧で名前を探す作業を一緒にすると、本人が自分で違和感に気づくきっかけにもなります。
まず、違約金、名義変更料、口座の凍結を解くための費用など、後から次々に出てくる名目の支払いは止めてください。そのうえで、払った方法ごとに次のところへ連絡します。
| 払い方 | 最初に連絡する先 | 手元に控えるもの |
|---|---|---|
| 銀行振込 | 振込先の金融機関、警察 | 振込の控え、振込先の口座名義と支店名 |
| 宅配便や郵便で現金を送った | 警察と、利用した運送会社(配達前なら止められる可能性がある) | 送り状の控え、送った日時と宛先 |
| 自宅に来た人に現金を渡した | 警察(急ぐときは110番) | 来た人の服装や年格好、時刻、話した内容 |
| 交換業者から暗号資産を送った | 利用した交換業者、警察 | 送付先アドレス、TxID、送付日時 |
現金を荷物で送るよう指示された時点で、正規の金融取引とは考えにくい状況です。そうした指示があったこと自体も警察に伝えてください。通話の内容は、日時・相手の名乗り・話の要点を時系列でメモにしておくと、窓口で説明しやすくなります。メモの作り方は証拠の残し方を参考にしてください。
電話で「必ず儲かる」と言われて契約した場合の取消しの考え方は電話で「ビットコインは必ず儲かる」と勧誘されたときの記事で詳しく扱っています。相談の流れはご相談の流れ、個別の見通しを知りたい場合は相談予約をご覧ください。返金を保証するものではありません。
A. 番号が実在していても、電話の相手がその会社の人だとは限りません。一覧に載っている会社の代表番号や公式サイトの窓口に自分でかけ直し、その勧誘を本当にしているかを確かめてください。
A. 販売役と買取役が組んだ劇場型の勧誘である可能性を考えてください。買い取りの話を理由に購入を決めるのは避け、どちらの相手にも個人情報や口座を伝えないことが大切です。
A. 相談を止めようとする言い方には警戒が必要です。消費者契約法でも、相談のための連絡を威迫で妨げられて結んだ契約は取り消せるとされています。まず家族か188に話してください。
A. すぐに警察(急ぐときは110番、相談は#9110)と運送会社に連絡してください。配達前なら止められる可能性があります。送り状の控えを手元に用意しておくと話が早く進みます。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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