仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
YouTubeの動画やライブ配信、広告で「視聴者限定の特別枠」「メンバーだけの先行案件」を知り、LINEに登録したところ参加費やサポート費用を求められている――そんなときは、支払いのために借金をしないことと、画面共有や遠隔操作のアプリを入れないことの2つを先に決めてください。広告として流れてきたものなら、Googleが表示している広告主の情報も確かめられます。
この記事は、YouTubeをきっかけに仮想通貨(暗号資産)の特別案件を勧められた人、参加費を払ってしまった人、家族がそうした契約をしたようで心配な人に向けて書いています。警察庁・国民生活センターなどの公表資料をもとに、動画から有料の「特別枠」へ進む流れと、契約後に確かめたい制度を整理します。特定の配信者や広告主を詐欺と断定するものではありません。
令和8年上半期について警察庁がまとめた暫定値を見ると、SNS型投資詐欺の入口になったツールのうちYouTubeは438件でした。前年同期より247件、率にして129.3%の増加です。件数そのものはInstagramやXより少ないものの、伸び方は目立っています。
同じ資料では、被害にあった時点の連絡手段の9割以上がLINEでした。動画を見ているうちは一方的に情報を受け取るだけですが、LINEに登録した瞬間から、個別のメッセージや電話で勧誘できる関係に変わります。
筆者は、動画の内容の正しさと、その先で売られる「特別枠」が料金に見合うかどうかは、切り離して考えるべきだと考えています。解説が分かりやすいことは、有料の案件が確かであることの保証にはなりません。
YouTubeを入口にした特別案件は、無料の情報で関心を集め、段階を踏んで有料の話へ移っていく形がよく見られます。
2から3へ進む間に、判断の時間は急に短くなります。面談の最後に「今日決めれば割引」と言われたら、その日は決めないと先に決めておくと、流されずに済みます。
ライブ配信のコメント欄では、配信者とよく似た名前やアイコンのアカウントが「特別枠のご案内です」と個別に返信してくることもあります。@から始まるハンドルが本物のチャンネルと一致しているかを確かめ、コメントから送られてくるリンクには進まないほうが安全です。
YouTubeで表示される広告は、Googleの広告の仕組みを通じて配信されています。Googleのヘルプによると、広告の横にあるその他のアイコンから「この広告主について」を開くと、広告主の名前などの情報を確かめられます。また「広告の透明性について」のページでは、広告主の名前やサイト名で検索し、どんな広告を出しているかを地域や期間で絞り込んで見ることができます。
広告主の情報が表示されていても、それだけで勧誘の中身が確かだとは言えません。あくまで「説明と違う点がないか」を探す道具として使ってください。暗号資産の取引所を名乗る広告の照合方法はYouTubeの広告で知った暗号資産取引所の記事で詳しく紹介しています。
特別枠の参加を本気で検討しているなら、お金を払う前に次の点を文章で答えてもらってください。口頭の説明だけで済ませようとする相手なら、それ自体が判断材料になります。
筆者の考えでは、この5つに気持ちよく答えられる事業者であれば、急いで申し込ませる必要もないはずです。逆に「枠が埋まるので説明は後で」と返されたら、そこで検討を打ち切ってよいでしょう。
国民生活センターは2026年5月、副業サポートや投資の名目で消費者に借金をさせる業者について注意を呼びかけました。公表された事例には、業者と画面を共有しながら、その日のうちに消費者金融から合計450万円を借り入れたケースや、FX投資の費用として約150万円を借りて振り込んだものの資金を引き出せず、借金の返済だけが残ったケースが含まれています。
同センターが挙げている問題点と助言は次のとおりです。
特別枠の参加費を払うために借金を勧められたら、その場で話を終えてかまいません。自分が借りすぎてしまいそうで不安な人は、日本貸金業協会の貸付自粛の手続きのように、本人の申告で新たな借入を受けにくくする制度もあります。
参加費やサポート契約の代金を払ってしまった場合でも、契約のしかたによっては使える制度があります。
相手から電話がかかってきて、その勧誘で申し込んだのなら、特定商取引法が定める電話勧誘販売に当てはまることがあります。当てはまれば、法定の書面が届いた日を1日目として8日間は、書面かメールなどの電磁的記録でクーリング・オフを通知できます。業者がうそを言ってクーリング・オフを妨げたときは、8日を過ぎても認められることがあります。
通信販売にはクーリング・オフの制度はありませんが、広告には事業者の名前や住所、返品・解約の条件などを表示するルールがあります。申込みページに事業者の情報や解約の条件が見当たらない場合は、その画面を保存しておきましょう。
値上がりのように先の分からない事柄を言い切られ、それを信じて契約したのなら、消費者契約法の取消しが使えないか検討してみる価値があります。
どれに当たるかの判断は、契約書面やLINEの記録をもとに消費生活センターと一緒に確かめるのが確実です。記録の残し方は証拠の残し方をご覧ください。
| 状況 | 先に連絡する先 |
|---|---|
| 銀行振込で参加費を払った | 相手口座のある銀行と警察。凍結時に残金があれば、振り込め詐欺救済法の手続きで返ってくる場合もある |
| クレジットカードや分割払いで払った | カード会社や信販会社。支払いの時期と加盟店名を伝え、調査や支払いの扱いを相談する |
| 消費者金融で借りて払った | 借入先の貸金業者に経緯を伝えるとともに、消費生活センターへ。借りたお金の返済義務の扱いは個別の判断になる |
| 暗号資産で送った | 送付に使った交換業者と警察。送付先アドレスとTxIDを控える |
遠隔操作アプリを入れてしまった場合は、アプリを削除したうえで、ネットバンキングや取引所のパスワードを変え、身に覚えのない操作がないかを確かめてください。
支払いの後、別の動画やDMで「投資の被害金を取り戻します」という案内が目に入るようになることもあります。調査費や着手金を前払いさせようとするなら、最初と同じ形の二次被害を警戒してください。相談歴のない人に国民生活センターが連絡して申請や支払いを促すことはないと同センターは説明しており、金融庁も同庁が現金などの支払いを求めることはないと公表しています。
動画や広告の内容が気になるときは、YouTubeの報告機能で知らせることができます。広告の場合は、先に触れた広告主の情報画面から報告の手続きに進めます。報告と並行して、次の窓口にも情報を寄せておきましょう。
著名人になりすました偽動画や「倍返し」をうたう配信の見分け方はYouTubeの「ビットコインで必ず儲かる」動画についての記事で扱っています。当サイトへの個別のご相談は相談予約のページから申し込めます。お金が戻ることをお約束するものではありません。
A. 参加費、サポートプラン、専用ツールなどの名目で数十万円単位を求められる例があります。支払う前に、事業者の名前・住所・解約条件が示されているか、暗号資産の売買を仲介するなら金融庁の登録があるかを確かめてください。
A. 借金をしてまで契約しないでください。国民生活センターも、副業や投資の名目で複数の貸金業者から借りさせ、借金だけが残る例を注意喚起しています。借入の申込みで事実と違う内容を書くよう言われても従わないでください。
A. アプリを削除し、ネットバンキングや取引所、メールのパスワードを変えてください。身に覚えのない借入や送金がないか、各サービスの履歴も確認し、気になる点があれば警察(#9110)や188に相談しましょう。
A. 電話勧誘販売にあたる場合は、法定の書面を受け取ってから8日以内ならクーリング・オフができます。当てはまるかどうかは契約の経緯によるため、契約書面やメッセージを持って消費生活センターに相談してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。