仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
「新しい暗号資産の特別割当に当選しました」「優先購入権の有効期限は48時間です」といったメールが届いても、リンクは開かず、返信もせず、まずメールを保存してください。申し込み手続きの途中で「枠確保料」「保証金」などの前払いを求められたら、その時点で支払いを止めるのが安全です。
この記事は、仮想通貨(暗号資産)の特別案件をメールで案内された人、すでに何らかの費用を払ってしまった人に向けたものです。前払いを重ねさせる流れの読み方、金融庁や業界団体の名前が入ったメールの見分け方、迷惑メールとして届け出る方法を、金融庁・国民生活センター・迷惑メール相談センターの公表情報をもとに説明します。特定の送信者を詐欺と断定するものではありません。
メールで届く特別案件は、申し込んだ覚えのない「当選」や「割当」から始まるのが特徴です。よく見られる順番を並べると、次のようになります。
ここで大事なのは、お金を受け取る側のはずなのに、先にお金を払わされているという逆転です。筆者は、「受け取る権利のために手数料を払う」という話が出た時点で、中身を検討するより先に手を止めるべきだと考えています。
1回目の支払いが数千円程度の少額に設定されていることもあります。少額なら確かめてみようという気持ちにさせ、一度払った人に次の請求を重ねていく形です。
メールや誘導先のページで使われる名目は、どれももっともらしい言葉で書かれています。次の表は、よく目にする名目と、立ち止まって考えたい点を並べたものです。
| メールでの呼び方 | 立ち止まりたい点 |
|---|---|
| 枠確保料・予約金 | 本当に割当があるなら、購入代金と別に「確保のためのお金」が要る理由が説明されているか |
| 本人確認の保証金 | 登録を受けた交換業者の本人確認は、身分証の提出などで行うもので、保証金を預ける手続きではない |
| ウォレット開設料・有効化手数料 | 送付先が個人名義の口座や電子マネーの番号になっていないか |
| 税金の前払い・源泉徴収 | 税金を業者の口座へ先に振り込ませる仕組みになっていないか |
| 権利失効を防ぐ延長料 | 期限を過ぎると失うと言いながら、払えば延長できるという矛盾がないか |
国民生活センターの暗号資産の相談事例にも、出金しようとしたら追加の入金を求められた、税金を請求されたといった内容が並んでいます。名目が変わっても「先に払わせる」という骨組みは同じだと考えておくと、次の請求に振り回されにくくなります。
特別案件のメールには、信用させるために公的機関や業界団体の名前が入っていることがあります。
金融庁は、同庁のロゴやアドレスを装って本人確認を求めるメールや、同庁の職員を名乗る人物が動画で投資を勧める事例について注意を呼びかけています。そのうえで、同庁が直接本人確認をしたり現金などの支払いを求めたりすることはなく、職員が投資取引を勧めることもないと明言しています。
日本暗号資産等取引業協会も、協会や会員を装った勧誘やサイトについて注意を促しています。実在する登録業者の名前が書かれていても、送信元がその会社とは限りません。確かめるときは、メールの中のリンクや電話番号ではなく、金融庁の登録一覧に載っている会社名で自分で検索して公式サイトを開き、そこからお知らせや問い合わせ窓口を探します。
国民生活センターも、同センターに相談した経験のない人へ、お金や申請が必要だとメール・電話で知らせることはないと公表しています。「被害金を取り戻す手続きのご案内」のような文面で同センターの名前が出てきたら、返信せずに地元の消費生活センターに知らせてください。
登録を受けた交換業者も、キャンペーンや新しい取扱銘柄のお知らせをメールで送ることがあります。本物かどうか迷ったら、次の3つを自分に問いかけてみてください。
どれか1つでも答えに詰まるなら、そのメールから手続きを進めないのが無難です。家族のアドレスにも同じメールが届いていないか、声をかけて確かめておくとさらに安心です。
営業のための広告・宣伝メールについては、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律、いわゆる特定電子メール法が送り方を定めています。
申し込んだ覚えのない「当選」メールで、送信者の名称も連絡先もはっきりしないものは、このルールから外れている可能性があります。法律違反かどうかを受け取った側が判断する必要はありませんが、ルールを守っていない送り主にお金を預ける理由はない、という物差しとして使えます。
取っておいたメールは、もしお金を払ってしまったときに、警察や消費生活センターで経緯を説明する材料になります。整理のしかたは証拠の残し方のページが参考になります。
最初に、次の名目の支払いには応じないと決めてください。そのうえで、払った方法に合わせて動きます。
相手の口座がある銀行と警察へ知らせて、口座の凍結を頼みましょう。凍結の時点で残金があれば、振り込め詐欺救済法の仕組みで被害を受けた人に配られる可能性があります。その手続きが始まったかどうかは、預金保険機構が出している公告で調べられます。
カードの発行元にすぐ連絡し、番号と購入時のレシートを手元に用意して、利用停止ができないか相談します。使われてしまった後では止められないことが多いため、早さが大切です。
送付に使った交換業者に経緯を伝え、送付先アドレスとTxIDを控えます。
カード会社に連絡し、明細の加盟店名を伝えて調査を依頼します。
支払いの後に「返金手続きの代行」をうたうメールが届くことがあります。メール経由の暗号資産の勧誘に後から続く二次被害についてはメールで届く「ビットコインで必ず儲かる」案内の記事でも触れています。
相談の前に、メールを受け取った日時、差出人の表示名とアドレス、支払った日付・金額・方法、相手から届いた請求の順番をメモにしておくと、窓口で経緯を伝えやすくなります。相談全体の進め方はご相談の流れ、個別の相談は相談予約からどうぞ。返金を保証するものではありません。
A. 申し込んだ覚えがないのに届く当選や割当の通知は、それだけで慎重に扱うべきです。営業目的の広告メールは、原則として受信に同意した人にしか送れません。リンクを開かず、メールを保存しておきましょう。
A. 受け取る権利のために先にお金を払わせる形は、支払いが続く入口になりやすいと考えてください。払った後に保証金や税金など別の名目が出てくる例が多く見られます。支払う前に188や金融庁の相談ダイヤルへ相談してください。
A. 金融庁は、同庁が直接本人確認や現金の支払いを求めることはないと公表しています。メール内のリンクは開かず、金融庁の公式サイトの注意喚起ページを自分で開いて確かめてください。
A. 迷惑メール相談センターに寄せられた情報は、特定電子メール法に違反する送信への対応に使われます。自分の被害回復に直結するものではありませんが、同じメールを受け取る人を減らすことにつながります。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。