ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
マッチングアプリや出会い系アプリで始まるロマンス詐欺には、はっきりした分かれ道があります。お金の話は、たいていアプリを出てLINEなどに移った後で始まるということです。裏を返せば、アプリの中にいるあいだが、相手を見極めて身を守りやすい時間帯だといえます。
この記事は、アプリで知り合った相手とやり取りしている方、これから婚活や恋活でアプリを使う方に向けたものです。警察庁の統計でアプリ発の被害の大きさを確かめたうえで、アプリの中で気づけるサイン、別のアプリへ移る前の確認、運営側の仕組みの読み方、通報とブロックの順番を順に説明します。
警察庁のまとめでは、2025年のSNS型ロマンス詐欺5,645件のうち、犯人と最初につながった場所はマッチングアプリが1,846件と、ほかのどのサービスよりも多くなりました。前年より40.8%増え、全体の32.7%を占めます。InstagramやFacebookを上回る、単独でいちばん大きな入口です。2026年1〜6月の暫定値でも、認知件数ではマッチングアプリが引き続き最も多くなっています。
もう一つ目を引くのが、被害にあった時点での連絡手段です。LINEが5,294件と9割を超えました。被害の重さも見逃せません。2026年1〜6月は、だまし取られた事件1件につき平均984.1万円という暫定値が出ています。出会いはアプリ、お金の話はLINE、という役割の切り替えが統計にも表れているわけです。
年齢確認や本人確認をしているアプリなら安全だと考える方もいるでしょう。けれども上の数字は、そうしたアプリを含めて被害が起きていることを示しています。アプリの仕組みは入口の安全を高めるものであって、相手の目的まで保証するものではない、と考えておくのが現実的です。
2022年12月、国民生活センターは、アプリなどで出会った相手にだまされないための確認項目を一覧にして公表しています。その項目を、アプリの中で気づける順に並べ直すと次のようになります。
チェックリストには、外国人を名乗る相手や日本語が不自然な相手も挙げられています。ただし、警察庁の統計では日本国内の人物を名乗るケースが約6割でした。国籍や言葉づかいではなく、アプリの外へ急ぐことと、お金の話題が出ることの2点を重く見てください。編集部は、この2つがそろった時点で警戒の段階に入るべきだと考えています。
アプリで知り合った相手が投資の話を始めたときの具体的な対処はマッチングアプリで投資を勧められたらにまとめています。
アプリの運営会社が用意している通報や監視の仕組みは、基本的にアプリの中のやり取りを対象にしています。LINEに移った後のメッセージは、アプリの運営会社からは見えません。移るかどうかは、次の点を確かめてから決めてください。
断り方に迷ったら、「会ってから連絡先を交換したい」「しばらくはアプリの中で話したい」と、自分のルールとして伝えるのがおすすめです。相手を疑っていると言う必要はありません。誠実な相手ならその希望を受け入れるはずで、強く押し返してくる、急に冷たくなる、といった反応が見えたら、それ自体が判断材料になります。
移った後に起きやすいことと、その時点での記録の取り方については、別記事「アプリからLINEへ誘導されたとき」を参考にしてください。
異性との交際を希望する人の情報を掲示板に載せ、不特定多数が閲覧でき、利用者どうしがメッセージで連絡でき、これを繰り返し提供するサービス。これが、通称「出会い系サイト規制法」の定めるインターネット異性紹介事業です。警視庁の説明では、事業を始めるには公安委員会へ届け出なければならず、ほかにもさまざまな義務が課されます。その一つが、利用者が18歳未満でないことの確認で、アプリの登録時に年齢確認の書類を求められるのはこのためです。利用しているアプリがこの届出を出しているかは、アプリやサイトの会社情報の欄で確かめられることが多いので、登録前に一度見ておくとよいでしょう。
政府は2024年6月の「国民を詐欺から守るための総合対策」で、ロマンス詐欺や既婚者の偽装登録を抑えるため、マッチングアプリの本人確認の強化を掲げました。デジタル庁によると、ペアーズは2024年8月にマイナンバーカードの公的個人認証を使った本人確認を導入し、タップルは2025年4月に戸籍の情報から独身であることを確かめる機能を始めています。2025年6月には、マッチングアプリでのマイナンバーカードの活用に関する協定も結ばれました。
本人確認は「その人が実在し、表示された年齢や性別が正しい」ことを確かめる仕組みです。相手の目的や誠実さまで確かめるものではありません。本人確認済みの相手を選ぶことは入口の安全を高めますが、お金の話が出たら確認済みかどうかに関係なく送金しない、という線は変えないでください。
おかしいと感じたときに、慌ててブロックや退会をすると、後から相手の情報を確かめられなくなります。次の順番で進めてください。
警察庁は、犯行に使われたLINEアカウントの情報を運営会社に提供し、利用停止を促す取り組みを進めています。あなたの通報が、次の被害者を減らすことにもつながります。
アプリで知り合った相手に電話番号やLINEのIDを教えた後は、LINEの設定で「友だちへの追加を許可」や「IDによる友だち追加を許可」をオフにしておくと、別のアカウントから知らない人に追加されにくくなります。相手を変えて同じ手口で近づかれるのを防ぐ、小さいながら有効な備えです。
運営への通報の仕方は不審な相手を通報するには、ペアーズで投資を勧める相手に出会った場合はPairsで投資や暗号資産を勧める相手への対処も参考にしてください。
出会い系アプリのトラブルには、ロマンス詐欺のほかに、サクラとのやり取りでポイントを買い続けてしまう「サクラサイト」型もあります。お金の行き先が違い、サクラサイト型はアプリやサイトの運営会社へのポイント代、ロマンス詐欺は相手本人や相手が指定する口座・投資サイトへの送金です。どちらに当たるかで相談先も変わります。
ロマンス詐欺の全体像はロマンス詐欺まとめで確かめられます。
A. ありえます。本人確認は実在や年齢を確かめる仕組みで、相手の目的までは確かめられません。警察庁の統計では、マッチングアプリが最初の接触ツールとして最も多くなっています。確認済みかどうかに関係なく、お金の話が出たら送金しないでください。
A. 断ってかまいません。アプリの通報機能はアプリ内のやり取りが対象なので、しばらくはアプリの中でやり取りを続け、会う予定を立てられるかを確かめるほうが安全です。断ったとたんに態度が変わる相手なら、それも一つの判断材料になります。
A. 相手のプロフィール画面とやり取りを、日時がわかる形で保存してください。そのうえでアプリの通報機能で運営に知らせ、最後にブロックします。先にブロックすると相手の情報が見られなくなることがあります。
A. 届出の有無と、そのアプリに詐欺目的の利用者がいたかどうかは別の問題です。届出のあるアプリでも被害は起きています。届出の有無は利用前の確認項目の一つとして、会社情報の欄などで確かめてください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。