仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
知らない番号から電話がかかってきて、「プロのトレーダーの取引を、あなたの口座に自動でコピーする設定を代わりにやります」「面倒なら運用はすべてお任せください」と言われる。話の途中で「画面を見ながら説明したいので、このアプリを入れてください」と頼まれることもあります。この記事は、そうした電話を受けた方、すでに言われたとおりにしてしまった方に向けたものです。
押さえておきたいことは3つです。第一に、投資の判断を任せて代わりに売買してもらう契約は「投資一任契約」で、これを業として行うには金融商品取引法の投資運用業の登録が要ります。第二に、登録を受けた業者であっても、投資一任に関してお客さんのお金を自社に預かることは原則として禁じられています。第三に、スマートフォンやパソコンを遠隔で操作できるアプリを入れさせる手口については、国民生活センターが注意を呼びかけています。電話口で「アプリを入れて」と言われたら、そこで通話を終えてください。
以下は電話勧誘で気をつけたい点を一般論としてまとめたもので、電話をかけてきた特定の会社を名指しで問題視するものではありません。お金が戻ることを請け合う内容でもない点もご了承ください。
電話での勧誘は、SNSのように画面で確かめる材料が残りにくいのが特徴です。話し方が丁寧で、会社名や担当者名を名乗られると、それだけで信用してしまいがちです。
こうした言葉そのものが問題なのではなく、それを言っている相手が、どの登録を持つ、どの会社なのかが分からないまま話が進むことが危ういのです。
金融商品取引法は、相手から投資判断の全部または一部を任され、その判断に基づいて相手のために投資を行う権限を委ねられる契約を「投資一任契約」と定めています(第2条第8項第12号ロ)。この契約に基づいて財産の運用を業として行うのは投資運用業で(第28条第4項)、登録を受けなければ行えません(第29条)。
「コピーの設定を代行する」と言いながら、実際にはどの取引をするかを相手が決め、あなたの口座で売買する形なら、投資一任に近い内容になります。
金融庁の金融商品取引業者登録一覧(PDF、令和8年8月31日現在)には1,951者が載っており、そのうち投資運用業の登録を持つのは463者です。一覧では業者ごとに「投資運用業」の欄に丸が付いています。
一覧の注意事項でも、少しでも疑わしい場合は電話番号やホームページで実在の業者か確認するよう書かれています。かかってきた番号や、相手が教える番号にかけ直すのでは確認になりません。
運用を引き受けた業者がお客のお金を自分で抱え込むことを、法律は原則として認めていません。金融商品取引法第42条の5によれば、投資一任契約で運用する業者は、名目のいかんにかかわらず顧客の金銭や有価証券を預かってはならないとされます(有価証券等管理業務として行う場合などは例外)。第42条の6も、運用の顧客に金銭を貸したり、第三者からの借入れを取り持ったりすることを禁じています。
投資一任の本来の形では、お金は本人名義で証券会社などに開いた口座に置かれたままで、運用する業者は注文の権限を任されるだけです。「運用口座」「専用口座」と称して、業者や個人の名義の口座に振り込ませる話は、この形から外れています。
ひとつでも当てはまれば、振り込まないでください。
国民生活センターは、副業や投資の勧誘で遠隔操作アプリを悪用して借金をさせる手口について注意を呼びかけています。公表された流れでは、動画サイトの広告やSNSから低額の商材を買わせ、高額なサポート契約を勧め、「お金がない」と断ると遠隔操作アプリをインストールさせ、事業者の指示のもとで貸金業者に借入れを申し込ませていました。20歳代の若い人の場合、支払いのために借金をさせられるケースが多くみられるとしています。
同センターのアドバイスは、遠隔操作アプリをインストールしないこと、貸金業者のサイトに登録している場合はIDやパスワードをすぐ変更すること、消費者ホットライン188に相談することです。
電話の相手が、よく知られた証券会社や運用会社の名前を名乗ることがあります。金融庁は、登録を受けた業者の名前を利用する業者もあると注意しています。名乗った会社が一覧に載っていても、電話の相手がその会社の社員だとは限りません。
金融庁の登録一覧の注意事項には、金融商品取引業者は原則として、メールやショートメッセージの中にパスワードの入力を促すページのURLやログイン用のリンクを載せないといった措置が求められている、とも書かれています。通話のあとに「こちらから本人確認をお願いします」とSMSでリンクが届いたら、開かずに削除してください。
金融商品取引法第37条の6のクーリング・オフは、施行令第16条の3で対象が投資顧問契約(助言の契約)に限られています。投資一任契約は対象に入っていません。「任せる」契約をしてしまった場合、この制度で解除することはできないと考えてください。
ただし、それで打つ手がなくなるわけではありません。勧誘のときに事実と違う説明があった場合の取り消しや、契約の相手が登録を受けていなかった場合の扱いなど、事情によって検討できることがあります。電話で売られたのが投資の契約ではなく、ツールや情報商材の購入だった場合は、別の法律の規定が関わることもあります。どれに当たるかを自分で決めず、契約書面とやり取りの記録をそろえ、188の消費者ホットラインか弁護士に判断を仰いでください。
電話の勧誘は形に残りにくいため、通話が終わったらすぐに書き留めます。時間がたつと、相手が名乗った名前や言い回しを思い出せなくなります。
何度もかかってくる場合は、端末の着信拒否を使い、以後は相手からの電話に出ないようにします。記録の整理の仕方は証拠の残し方にまとめています。すでに振り込んだ場合は、振込をした金融機関と警察にすぐ連絡してください(銀行振込の被害回復の流れ)。
電話での投資勧誘に関する法律上のルールやクーリング・オフの日数は電話でAI自動売買を勧められたらで、損失を「取り戻せる」という二次被害の電話については損失を取り戻せるという電話で扱っています。
A. 設定の代行と言いながら売買の判断まで任せる形なら、投資一任契約に近く、業者には投資運用業の登録が必要です。会社名と登録番号を聞き、金融庁の一覧に載っている電話番号に自分からかけ直して確かめるまでは、何も任せないでください。
A. 登録を受けた投資運用業者でも、投資一任に関してお客さんのお金を預かることは原則として禁じられています。本来はお金は本人名義の口座に置かれたままです。振り込まずに、やり取りを記録してください。
A. 通話と画面共有を終えて通信を切り、アプリを削除し、別の端末からネットバンキングやメールのパスワードを変更してください。取引先の銀行やカード会社にも連絡し、不審な取引がないか確認します。
A. 金融商品取引法のクーリング・オフの対象は投資顧問契約で、投資一任契約は対象外です。ただし、勧誘の内容や相手の登録の有無によって検討できる手段があるため、消費者ホットライン188に相談してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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